ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

道草しよう

美しい図鑑です。

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『子どもと一緒に覚えたい道草の名前』稲垣栄洋/監修、加古川利彦/絵、マイルスタッフ

歩いているとよく見かける道草を、華麗なボタニカルアートとたくさんの写真で丁寧に紹介。

美しい表紙と手触りの、飾っておきたくなる上質な本です。

アートな装丁ですが、中を開くと意外と実用的。
花、茎、葉、種とそれぞれに写真付きで、わかりやすい解説あり、摘んだあとの楽しみ方までレクチャー。
草花をトコトン楽しむ方法がこの本にはつまっています。

美しい装丁のこの本は『子どもと一緒に覚えたい~』というシリーズで、鳥、毒性物、貝殻もあります。
加古川利彦さんの美しいアート図鑑、揃えて飾りたくなります。

スパイシーな寓話

動物たちが教えてくれる人生の教訓。

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『ラ・フォンテーヌ寓話』ラ・フォンテーヌ/作、ブーテ・ド・モンヴェル/絵、大澤千加/訳、洋洋社

17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで、動物たちを主人公にしたこの寓話集を著したそうです。

全26話、かわいくてユーモラスな挿画がきいています。

「キツネとコウノトリ」は子どもの頃に読んだことがありました。
自分がやられて嫌なことは人にもしちゃだめだよ、という教訓の話だと思うのですが、どうしても私には「やられたらやり返す!」という話だったような印象が強く、改めて読んでみてもやっぱり、泣き寝入りしない強いコウノトリのお話でした。
コウノトリ、かっこいい。

ピリリとした寓話集。
大人にこそ読んでほしい。

可愛らしい装丁で、本棚に1冊あるとちょっと嬉しくなる佇まいです。

猫と日だまり

他にはない絵本。

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『ひなたぼっこねこ』おづちともか/作、エディション・エフ

猫の家には、東と西に窓があります。
猫とお日さまのおはなし。

一筆箋のような姿のこの絵本。
子どもの手にもなじむかわいいサイズです。

そしてこの絵本、フランス語が併記されているんです。
かんたんな日本語と、かんたんなフランス語。
フランス語の勉強にも役立ちそうです。

日本語で読んであげたあとは、フランス語での読み聞かせにもチャレンジしたくなる1冊です。

にゃおん

猫本はじめ。

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『にゃおんのおはなし』いのまたむつみ/著、徳間書店

イラストレータいのまたむつみさんの愛猫イラストエッセイ。

これはおそらく、私がはじめて買った猫本です。

猫は好きだけど猫本や猫グッズには興味がなかった10代の私。
当時『風の大陸』を読んで、いのまたむつみさんの美しいイラストに魅了され、『宇宙皇子』も同じ人がイラスト描いてると知って読み、イラスト集や画集を眺めてはため息をついていました。

そんな美しい絵を描くいのまたむつみさんが、たまたま猫好きで、猫本を出したのがこれでした。
私はこの本でいのまたさんの描くアビシニアンを見て以来、アビシニアンは憧れの猫種になりました。

いのまたむつみさん、40周年画集が少し前に発売になりましたね。
美しい絵の世界にどっぷりとひたれる、贅沢な画集。
ああ、ほしい!

この『にゃおんのおはなし』はコミカルなイラストのエッセイですが、そんなイラストを見られるのって実は珍しいのかも。いのまたむつみさんの暮らしぶりや愛猫家っぷりも垣間見られる、ファンにはたまらない1冊です。

母の願い

人魚伝説。

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『赤い蝋燭と人魚』小川未明/文、酒井駒子/絵、偕成社

小川未明の童話「赤い蝋燭と人魚」を、酒井駒子さんの絵で。

北の海に棲む人魚の母親は、娘の幸せを願い、人間の老夫婦に託します。
でもやがて、欲に目がくらんだ人間によって、人魚の願いは裏切られて…。

物語の持つ神秘的な世界観に、酒井駒子さんの絵がよく合います。
妖しく美しい人魚、赤い絵が描かれたろうそく、海の生き物たち。
酒井駒子さんのために創られた物語なのではないかと錯覚するほどに、この童話にはこの絵しかあり得なくなってしまいました。
文章と絵のバランスも素晴らしい。

もの悲しいお話です。
人魚の話は、かなしい結末が多いですね。

猫に媚びる

猫の幸せが私の幸せ。

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『ネコに媚びる26の方法』エリザベス・キング・ブラウンド/著、弓場隆/訳、ベストセラーズ

A~Zまで、猫とうまく付き合う方法を教えてくれます。

はじめに明かされる、この本が誕生するまでのいきさつがいい。
それは猫に仕える家族誕生の話でもあり、猫の魅力にとりつかれたすべての人間の物語。
とにかくこの「はじめに」を読んだら、そのあとのA~Zを心して読まないといけない気持ちにさせます。
2匹の母猫と12匹の子猫を愛してくれてありがとう!

そんなA~Z、ページをめくるたびに和む。
表紙の猫のとぼけた表情がなんとも言えない。

これを知っていると、猫とうまくやっていけるかも?

猫への愛が生み出したキュートな本です。

猫のおうち

猫ちぐら」とも言うらしい。

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『猫つぐらの作り方』誠文堂新光社/編、誠文堂新光社

雪深い農村で、冬の手仕事として作られてきた伝統の工芸「猫つぐら」。
保温性の高い稲藁で、「かまくら」のような形に編んで作ります。

本場の職人さんの「猫つぐら」は人気で予約待ちだとか。
これを読んで自分で作るという選択肢、いかがでしょうか。

藁はちょっと本格的すぎて難しいかな、と思っても、紙ひもを使った作り方も載っているので嬉しい。
とても丁寧に説明されているので、チャレンジしてみたくなります。

私の野望は、この本をネコオドルで買ってくださった人が、「こんなのできたよ!」と完成した猫つぐらを持って来てくれて、うちのこたちにプレゼントしてくれること…。

いかがでしょうか!