スパイシーな寓話
動物たちが教えてくれる人生の教訓。
『ラ・フォンテーヌ寓話』ラ・フォンテーヌ/作、ブーテ・ド・モンヴェル/絵、大澤千加/訳、洋洋社
17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで、動物たちを主人公にしたこの寓話集を著したそうです。
全26話、かわいくてユーモラスな挿画がきいています。
「キツネとコウノトリ」は子どもの頃に読んだことがありました。
自分がやられて嫌なことは人にもしちゃだめだよ、という教訓の話だと思うのですが、どうしても私には「やられたらやり返す!」という話だったような印象が強く、改めて読んでみてもやっぱり、泣き寝入りしない強いコウノトリのお話でした。
コウノトリ、かっこいい。
ピリリとした寓話集。
大人にこそ読んでほしい。
可愛らしい装丁で、本棚に1冊あるとちょっと嬉しくなる佇まいです。
にゃおん
猫本はじめ。
これはおそらく、私がはじめて買った猫本です。
猫は好きだけど猫本や猫グッズには興味がなかった10代の私。
当時『風の大陸』を読んで、いのまたむつみさんの美しいイラストに魅了され、『宇宙皇子』も同じ人がイラスト描いてると知って読み、イラスト集や画集を眺めてはため息をついていました。
そんな美しい絵を描くいのまたむつみさんが、たまたま猫好きで、猫本を出したのがこれでした。
私はこの本でいのまたさんの描くアビシニアンを見て以来、アビシニアンは憧れの猫種になりました。
いのまたむつみさん、40周年画集が少し前に発売になりましたね。
美しい絵の世界にどっぷりとひたれる、贅沢な画集。
ああ、ほしい!
この『にゃおんのおはなし』はコミカルなイラストのエッセイですが、そんなイラストを見られるのって実は珍しいのかも。いのまたむつみさんの暮らしぶりや愛猫家っぷりも垣間見られる、ファンにはたまらない1冊です。
猫に媚びる
猫の幸せが私の幸せ。
『ネコに媚びる26の方法』エリザベス・キング・ブラウンド/著、弓場隆/訳、ベストセラーズ
A~Zまで、猫とうまく付き合う方法を教えてくれます。
はじめに明かされる、この本が誕生するまでのいきさつがいい。
それは猫に仕える家族誕生の話でもあり、猫の魅力にとりつかれたすべての人間の物語。
とにかくこの「はじめに」を読んだら、そのあとのA~Zを心して読まないといけない気持ちにさせます。
2匹の母猫と12匹の子猫を愛してくれてありがとう!
そんなA~Z、ページをめくるたびに和む。
表紙の猫のとぼけた表情がなんとも言えない。
これを知っていると、猫とうまくやっていけるかも?
猫への愛が生み出したキュートな本です。