ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

ちまちまちま

縁起がいい。

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『チマチマ記』長野まゆみ/著、講談社

宝来家で飼われることになったネコ兄弟、チマキとノリマキ。
猫目線で描かれる、変わった家族と美味しい料理の物語。

居候もいて複雑な家族関係、しかも名前がみんな変わっているためかなかなか覚えられなくて、相関図を何度も確かめながら読み始めました。

料理が上手で一家のまかない係を務める、宝来家の息子のカガミくん。
食材や料理に関する知識が豊富で、栄養管理も徹底していて、料理はどれも美味しそうで。
読んでいておなかがすいてきます。

猫目線だけど、人間の家族の物語。
風変わりな一家の、あたたかくて良い匂いに満ちた、ふわっふわのお話です。

万葉

言の葉の調べ。

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万葉集リービ英雄/英訳、中西進/日本語現代語訳・本文、井上博道/写真、パイインターナショナル

万葉集のなかから厳選された和歌の英語訳集。
美しい写真が添えられた、文庫サイズの本です。

図書館の講座で万葉集を何年か担当していました。
そんな時に訪れた下北沢のTBooksさん。
カウンター前に飾られていたこの本を見て、即買いしてしまいました。

自分のための万葉集
美しい本に巡りあえてうれしい。

「言の葉」というものを、英語でも楽しめる。

手になじむサイズの美しい本。
贈り物にも、外国へのおみやげにも喜ばれそうな1冊です。

猫の魔法

猫の想い。

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『猫が魔法を使うとき』松井雄功/絵、田中マルコ/文、幻冬舎

猫は愛する人のためにとっておきの魔法を使います。

子猫との出会いから別れまでの猫の一生と、24の「猫の魔法」。
猫をかわいがっている人には染みる本です。

猫の何気ないしぐさや行動が、すべて魔法に見えてくる不思議さ。

綺麗な絵に惹かれて手に取りましたが、愛猫家にはグッとくる、中身も素敵な1冊でした。

絵本から飛び出して

囲まれてみたい。

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『絵本の国のぬいぐるみ』原優子/著、白泉社

ぐりとぐら、こねこのぴっち、ビロードのうさぎ。
ぼくの小鳥ちゃんから、ちいさいおうちまで。
絵本でおなじみのキャラクターをぬいぐるみで作れる、夢のような本です。

私は、数年前、こねこのぴっちを作りました。
作り方ではフリースが指定でしたが、ちょうど手元に黒と白のファーがあったのでそれを使用。

結果、こうなりました。

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似てない・・・。勝手にアレンジしてごめんなさい・・・。

でも、私でも形にはできる、という自信を手に入れました!

作ってみたいキャラクターがたくさん。
しかもおしゃれでかわいい!
実際に作らなくても、眺めているだけで夢が広がる素敵な1冊です。

タックチック

この本を持っている人に出会いたい。

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『Tuck Chick Born』大川久乃/ことば、関澤絵里子/え、婦人生活社

前向きな言葉いっぱいの、大人のための優しい絵本。

私が大型書店でアルバイトをしていた時のこと。
この本が発売されて、平積みになっていました。
個性的なかわいい絵と前向きな言葉の数々に惹かれて購入。原宿で個展があると知って、すぐに見に行きました。

数年前、図書館で福音館書店の絵本雑誌を受け入れしていた時、大川久乃さんのお名前を見かけて嬉しくなりました。
絵本作家として活動されているんですね。

ほぼ同年代で同じ埼玉県出身ということで、勝手に親近感を抱いている作家さん達による、思い出の1冊です。

街を変える

街と本屋。

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『街を変える小さな店』堀部篤史/著、京阪神エルマガジン社

京都の個性的な個人店を取材した本。

当時の恵文社一乗寺店店長による、街のなかで小さなお店を続けていくためのヒントが詰まった1冊です。

著者の堀部さんは、現在は誠光社の店主さん。
本屋好きで知らぬ人はいないでしょう。

数年前に京都に行った時、誠光社さんでこの本を購入しました。
ここで買おう!と決めていました。
ご自身が書いた本、積み上げているかと思っていたら、1冊だけ棚に差してあって、その控えめなところがまた素敵だなぁと思ったことが印象に残っています。

小さなお店が街を変える。

街のなかでどんな存在になれるか。

小さな本屋さん必読の書です。

よるくま

くまのこが来たんだよ。

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『よるくま』酒井駒子/作・絵、偕成社

夜中にやってきたくまの子「よるくま」と、くまのお母さんを探しに行った男の子のお話。

夜の眠りにつく前に、ベッドのなかでお母さんに話して聞かせた、ぼくと「よるくま」との冒険のこと。
お母さんと子どもの会話によってお話が進んでいくので、自然と耳をかたむけてしまう心地よさがあります。

流れ星の次のページが、いい。

ほっと安心できて、「おやすみなさい」と言いたくなる、夜に寝る前に読んであげたいかわいいお話です。
よるくまシリーズでクリスマスの絵本も出ているので、これからの季節にぴったりです。