ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

カラフルな数

左右盲も研究してほしい。

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『1は赤い。そして世界は緑と青でできている』望月菜南子/著、飛鳥新社

「文字に色がついて見える」共感覚を備える女子大学生が、ありのままを綴ります。

なんとなくの知識しかなかった共感覚
とても興味深く読みました。

共感覚をまだ知らなかった幼少期に、それが共感覚のせいだとわからずに「自分は人より劣っている」と思っていた体験が、印象的でした。
私にもわかる、と思ったんです。

私は「左右盲」なんです。
これは造語みたいで、共感覚と同じで病気ではないのですが、左右を判断するのが難しい人のことをいいます。

私も左右を考えずに判断するのができなくて、なんでみんなは悩まずにすぐに左右がわかるのだろうと、自分の能力の低さに焦っていた時期がありました。

左右盲」のことを知ったのは、大学生の時。
友人のひとりが「私、考えないと左右がわからないんだよね」と言ったことがきっかけでした。
「私もだよ!」と同時に「え、みんなそうじゃないの!?」と、驚き。

びっくりして、家に帰って母に「左右って考えなくてもわかるの?」って聞いたら「わかるよ」って当たり前のように返ってきた時の感覚は忘れられません。

いつだったか、俳優の堺雅人さんも左右盲だと告白されていて、珍しいことじゃないんだ、左右がわからない自分が特別に劣っている訳ではないんだ、とホッとしたのを覚えています。

人と違うことに理由があると知ることは、安心につながる。

ひとりで悩まずに、人に話してみることは大事だと、身をもって知ったからか、この本はとても興味深かったです。

共感覚、興味深い。