ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

犬王

窮極の美。

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平家物語犬王の巻』古川日出男/著、河出書房新社

平家物語」の現代語訳を手がけた古川日出男による、平家物語異聞。

犬王は、同時代を生きた観阿弥世阿弥とともに三代将軍足利義満の愛顧を受け、二者よりも贔屓にされていたと言われる能楽師ですが、犬王の作品は現在には残されていません。

その死に際しては「紫雲が立った」とも伝えられている謎の多い人物。

盲目の琵琶法師・友魚との友情、呪われた出生など、強烈なエピソード満載で最後まで惹き付けられます。

古川日出男訳の「平家物語」を最近読んだばかりで、この犬王の巻も気になっていたものの読んでいなかったのですが、映画化にあたり野木亜紀子さんが脚本を手がけられると知って、すぐに読みました。

これを映像化するのか?と驚きながら読んでいたら、アニメーション映画だと知って、なるほど、と。

醜く、美しい世界。
アニメでも実写でも、観たい。

古川訳の「平家物語」を読んでからこの本を読むと、物語の世界をより深く味わえると思います。