ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

ことり

小鳥の愛の歌。

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『ことり』小川洋子/著、朝日新聞出版

「小鳥の小父さん」と呼ばれる男の一生を描いた、静かで優しく切ない物語。

周りの人みんなが良いと言っている本でも、なかなか入り込めなくて読み進められない作品があります。
それに比べてこの本は。
大きな事件も起きないのに、最後まで心をとらえて離さない、物語の力を感じます。

鳥の声が響きわたる本。

小鳥の小父さんの人生を通りすぎていく人々は、みんな鳥の気配を忍ばせていて、すっと現れてすっと消えていきます。

小川洋子さんの作品を読むのは3作目かもしれません。何で読んでこなかったんだ!と、自分を責めたい。

久々に作家読み、始める予感。