プチキング
あべこべ。
『ちいさなちいさな王様』アクセル・ハッケ/作、ミヒャエル・ゾーヴァ/絵、講談社
僕のまえに現れた、人差し指サイズの小さな王様。
大きく生まれてだんだん小さくなっていく、あべこべな世界の王様はちょっと偉そうで、グミベアーが大好きです。
これは大人のための童話。
ゾーヴァの美しい挿し絵が、物語からの哲学的な問いかけに静かにユーモラスに色を添えています。
私が気に入ってるのは、夢の話。
王様の世界では、成長すると体も家も小さくなるけど、夢が入った夢の箱はそのまま、小さくならずなくならず、次の人が引き継ぎます。
夢は、なくならない。
読むたびに感じ方が変わる、不思議な本です。