ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

物語が生まれる

等身大の姿。

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『物語ること、生きること』上橋菜穂子/著、瀧晴巳/構成・文、講談社

児童ファンタジー作家、上橋菜穂子さんの生い立ちから作家になるまでのこと。

子ども時代のおばあちゃんとの話がとてもいい。
おばあちゃんとの思い出、おばあちゃんからの教えが、その後の生き方に少なからず影響を与えてくれるということ、私も自分と重ね合わせてみて、とても深く共感できます。
散歩からの帰り道におばあちゃんか口ずさんでいた歌、今でもふっと思い出したりします。

好きな道を極めること。
決して楽ではない道を進む覚悟を決めた時。

それはきっと、物語のようにドラマチックなことではなくて、たくさんの挫折感や悩みの先にある光をあきらめずに目指して進み続けることなんだと思います。

迷いながらも、逃げたいと思いながらも、一歩先に飛び出すことを恐れずに、自分の居場所を作り出していった上橋菜穂子さん。作品の世界観に大きな影響を与えている文化人類学者としての一面も知ることができて、とても興味深い1冊になっています。