ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

ぼくだけの名前

君に呼んでほしい。

f:id:nekoodoruneko:20190526114458j:plain
『なまえのないねこ』竹下文子/文、町田尚子/絵、小峰書店

竹下文子さんは美しい文章とファンタジーのやさしい世界が大好きで、『風町通信』が特にお気に入りの作家さん。
町田尚子さんは『ネコヅメのよる』で虜になった、言わずと知れた(?)ネコオドル一押し作家さん。
おふたりとも、猫好きで知られる作家さんです。

大好きなお二人が作った猫の絵本、発売前から気になってしかたありませんでした。

商店街で暮らす、名前を持たない1匹の野良猫。
いろんなお店の飼い猫たちがみんな持っている「名前」に憧れています。
「自分で名前をつければいいじゃない」と言われて、探しはじめるけれど…。

タイトルでもう泣きそうになる。
そして読みながら泣きそうになって、読み終わって泣きそうになる。
というか、ずっと泣いている。
猫好きに捧げる温かく幸せなお話です。

表紙の猫の表情が、うちの「ぽんた」によく似ているんです。
ぽんたは、10年近く野良猫を続けてきた猫。
全然人になつかない猫でした。
家の中で暮らしてる今でもたまに、人間が急に立ち上がったりすると怖がって逃げ出すような子。野良猫時代に、なにか怖い思いをしたのかもしれません。
そんなぽんたは、よく、こんな上目づかいの顔で人間を見つめてきます。

わがままは言わないよ。
そばにいさせてね。
そんな言葉が聞こえてきそうで、愛おしくなります。

読み聞かせにも、大人が読むのにも、どちらにもおすすめ。
猫への愛を深める上質な絵本です。