鬼と井戸と
大好きな1冊。
平安時代の京の都。
歴史上の人物、小野篁の少年時代をモチーフにした物語です。
少年篁は、ある日、妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込みます。
そこではすでに死んだはずの征夷大将軍坂上田村麻呂が、いまだあの世への橋を渡れないまま、鬼から都を護っていて…。
テレビで小野篁の特集番組を見た父から「小野篁の本がなにか読みたい」と言われ、これをすすめたらとても感激していました。大人でも十分楽しめる、子どもだけにではもったいない、そんな名作です。
小野篁を題材とした小説は多いですが、人物について書かれた本は意外と少ない。
昼間は朝廷で官吏を務め、夜になると冥府において閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという伝説があり、冥府との往還に使っていたのが井戸。
人々の創造力を刺激する、魅力と不思議にあふれた人です。
坂上田村麻呂も、悪路王などと絡めて私の興味を引きつけてやまない人物です。
この時代には興味と関心が尽きません。
やっぱり平安時代、好き!