ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

最後まで読めない本

今年最後の紹介になります。今年一番の本を。
今までは手持ちの本やネコオドルの本から紹介してましたが、今日は図書館の本です。

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『熱帯』森見登美彦/著、文藝春秋

待ちに待っていた森見登美彦さんの新刊は「最後まで読むことができない本」のお話です。
1冊の本を巡る不可思議な物語は、どこまでも深い深い世界へ繋がっていく。
今まで読んできた大好きな森見ワールドの、いろんな要素が詰まっている感じ。
読み終えたときは、エンデの『はてしない物語』を読んだのと同じくらいの満足感でした。

この作品のすごいところは、物語のキーになっている本、岩波文庫の『千一夜物語』全13巻を重版させるきっかけになったこと。『千一夜物語』は図書館にもちろんありますが、少しくたびれた感じになっていました。巻数が多いのでなかなか実現しなかったという重版、待ちわびていた人は少なからずいるはずですから、それを実現させた『熱帯』の力は絶大です。

いきなり森見氏本人が登場する物語『熱帯』。
『熱帯』のなかに登場するもうひとつの『熱帯』。
迷宮のように入り組んだ物語の世界をご堪能ください。

普段は図書館務めなので、図書館の本を読むことが圧倒的に多いです。
来年からは図書館の本も交えながら紹介していきたいと思います。