ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本をすすめるということ

タイトルにビビってはいけません。

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『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子/著、 河出書房新社

長いタイトルですが、その出だしの言葉でつまずかずに、最後まで読んでください。これは、本をすすめるお話です。出会い系のお話ではありません。

本をすすめることについては、私も仕事柄、考えることがあります。
図書館に勤めているというと、「おすすめ教えてよ」と簡単に言われたりしますが、本をすすめることってそんなに簡単なことではないですよね。自分の好みの本でよければ相手を問わずいくらでも紹介できますが、それでは本当の意味ですすめたことにはならないと思うのです。

相手の好み、今求めているものなど、本を選んでいくために必要な情報を収集して、頭の中のデータベースと照合して、目の前の棚から本を選び出す。

この本には、本をすすめるということに真摯に向き合う主人公の姿が描かれています。特に、かつての上司に30冊の本をプレゼンする場面に、ぐっときました。

今私が開いている本屋にあるのはすべてが私が選んだ本なので、どれもおすすめ本です。
その中から、あなたに合った1冊を選び出す。
簡単に「おすすめ教えてよ」と言ってくる人には、ぜひこの本をおすすめしたいと、意地悪な私は思うのでした。

著者の花田さんの実体験を元にして書かれた小説。
花田さんに、私に合う本をおすすめしてほしくなりました。

本が好きな方にはぜひ読んでほしい1冊です。