ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

夏がきた!

夏の音、夏のにおい。

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『夏がきた』羽尻利門/作、あすなろ書房

子どもたちの夏の1日。
今年も夏がきた。

きらきらとまぶしく、色鮮やかな季節。
田舎の夏の風景をそのまま切り取ったかのような絵本です。
夏の匂いまで伝わってきそう。

懐かしい光景に心奪われます。
今の子どもたちにも体験させてあげたいですね。

これからの暑い夏にぴったりの絵本です。

猫と宇宙

猫に聞け!

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『ネコ博士が語る宇宙のふしぎ』ドミニク・ウォーリマン/文、ベン・ニューマン/絵、日暮雅通/訳、山崎直子/日本語版監修、徳間書店

ネコ博士はのらネコの中でもとびきりかしこいネコ。
宇宙について知りたいあれこれを、ネコ博士がわかりやすく教えてくれます。

これ1冊あれば宇宙のことはだいたいOK!というくらい、よくまとめられています。

猫が教えてくれるというのも猫好きにはポイント高いですね。
科学絵本は苦手な子でも、猫きっかけで手に取りやすいかもしれません。

カラフルなイラスト豊富で、眺めているだけでも楽しい絵本。
プレゼントにも喜ばれそうな1冊です。

おばちゃん

元気な幽霊。

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『おばちゃんたちのいるところ』松田青子/著、中央公論新社

幽霊たちが現れて、悩める現代人を救う。
シュールで愉快な連作短編怪談集です。

松田青子さんといえば、ちょっと変わったテイストの作風がクセになる作家さん。
これを読むとハマってしまうかもしれません。

おばちゃんたちは幽霊です。
八百屋お七皿屋敷のお菊さんなど、おなじみの怪談をモチーフにしたお話は、私たち現代人を前向きにさせてくれるなんとも不思議なパワーがあります。

謎のヘッドハンター・汀さんや幽霊のおばちゃんなど、それぞれに完結した17の短編をひとつにつないでゆくキーパーソンも魅力的。

結局具体的なことはよくわからない。
よくわからないのだけど、死者も生者も同じようにいきいきと描かれた物語は、読んでいて爽やかな気持ちになる。

こんな幽霊なら会ってみたい、と思わせる、怖くないのに面白い怪談集です。

荒川

荒川は豊かな埼玉つくる川。

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『日本の川 あらかわ・すみだがわ』村松昭/さく、偕成社

秩父の山の神様とお使いの女の子が、荒川を源流から海まで雲に乗って辿っていきます。

緑深い山奥から街へと続く川の流れを丁寧に案内してくれる絵本。

動物や植物のイラストも豊富で、その土地の名所や歴史にも触れることができます。
いろんな路線も出てくるので鉄道好きにも喜ばれそう。
ずっと眺めていられる、発見の楽しい絵本です。

家の近くを流れる荒川。
遠く離れた地でも、同じように身近な川として親しんでいる人たちがいるんだと思うと、改めて自然の偉大さを感じます。

1本の川の流れを楽しく学べる絵本です。

マドレーヌ

理想の夫婦。

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『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学/著、KADOKAWA

かのこちゃんは小学1年生の女の子。
マドレーヌ夫人はアカトラの猫。
かのこちゃんと友だちのすずちゃん、マドレーヌ夫人と犬の玄三郎。
ドキドキする毎日は、ちょっと不思議に満ちている。

ずっと前に一度読もうとしたときは、たぶんこの本の気分じゃなかったんだと思います。
冒頭の猫の集会のところで読むのをやめてしまったんですよね。

いま思うと、すごくもったいないことをしました。
こんなに面白いお話なのに!

マドレーヌ夫人の主人って、そっちか!
外国語って、そっちか!
と、あとちょっと読み進めるだけで面白くなる要素がたくさんあったのにね。

ちょっと不思議で優しくて、あたたかい悲しみに包まれる読後感。
それにしても「子どもと猫」って最強です。

空飛ぶ宝石

自然の中で出会う美。

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『世界の美しいカワセミ』パイインターナショナル

カワセミとその仲閒たちの美しい写真集。

寄居町には荒川沿いに「かわせみ河原」とよばれる河原があり、そのためかカワセミという鳥には昔から親しみを覚えます。

カワセミにもいろいろな種類がいるんですね。
光沢のある青色のカワセミがおそらく一般的に知られていると思いますが、種類によってその青もさまざま。
青という色彩の豊かさに惹きつけられます。
他にも赤やオレンジ、白や紫と、色鮮やかな羽の色は眺めていて飽きることがありません。

カワセミブッポウソウ目。
同じブッポウソウ目のショウビンもおさめられています。
ショウビンも美しい鳥ですね。

鳥の愛らしく美しい姿に心が癒やされる1冊です。

雨の音

雨を楽しむ。

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『あめぽぽぽ』ひがしなおこ/さく、きうちたつろう/え、くもん出版

雨が降ってきた。
傘をさしておかあさんとおでかけです。

雨が奏でるいろいろな音が楽しげです。
キラキラと降る雨の絵もとても綺麗。

「きせつのおでかけえほん」のなかの1冊で、今の時期にぴったりの絵本。
歌人東直子さんのリズミカルな言葉は、声に出して読みたくなります。

雨の日が楽しくなりそうです。