作家と猫
物書きの必需品。なのか。
『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』角田光代/著、吉田修一/著、村山由佳/著、柚月裕子/著、保坂和志/著、養老孟司/著、河出書房新社
NHKの番組「ネコメンタリー猫も、杓子も。」は、人気作家と一緒に暮らす愛猫たちの日常を切り取った、ネコメンタリー。
録画して必ず見ている大好きな猫番組が本になりました。
作家と猫は相性が良いのか、昔から猫好きの方が多いですよね。
近くに猫がいたら私にもなにか書けるのではないかと錯覚してしまいます。
猫にそんな力があるわけではなく、もちろん作家さんの才能と努力ですとも。
わかっているけど、でも作家志望の人には猫をすすめたくなるほど、作家と猫は相性がいい。
ネコメンタリー、今後も目がはなせません。
てんひとつ
芸術はバクハツだ!
『てん』ピーター・レイノルズ/作、谷川俊太郎/訳、あすなろ書房
お絵描きが大嫌いなワシテが苦しまぎれに描いたのは、ちっぽけな“てん”ひとつ。
そのちっぽけな“てん”から、ワシテの世界は変わっていきます。
お絵描きが苦手なすべての人に勇気を与えてくれる絵本。
人と同じようにできないことが怖かった私の子ども時代。
考えすぎてしまって、自由に絵を描くこともままならない子どもでした。
“てん”ひとつから世界が広がる。
表現することは、自由だ!
この絵本を読んで、正解なんてないことに気づき、安心できました。
この絵本に出てくる先生はとても素敵だと思います。
こんな大人になりたい。
勇気を与えてくれる、楽しい絵本です。
読書会@和室
8月25日、寄居読書会でした。
ネコオドルが移転したため場所の提供ができなくなりましたが、変わらず参加していきます。
今回の会場は公民館でした。
和室、畳が心地よい。
第15回目、課題本はヘミングウェイ『老人と海』
参加者は5名。
みなさんの感想のなかで「ハードボイルド」「マッチョ」という表現が印象的でした。
私の率直な感想は「男のロマン」。
大きな獲物をしとめる、果敢に闘いに挑む、そこに魅力を感じるのは男性的に思えます。闘い好きな男性は興味深くこの作品を読むのかも、と。
私は、魚がかわいそう…と思ってしまうのでした。
でも読み進めていって、この作品はそれだけではないんだと思いました。
最後の少年とのシーンがとても印象的です。
ライオンの夢。
私も見たいな。
みなさんの「海」のイメージや、祖父母との思い出など、『老人と海』から連想した話も聞くことができました。
マッチョな、アメリカンな物語。
再読できておもしろかったです。
鉱物レシピ
キラキラ。
『鉱物レシピ 結晶づくりと遊びかた』さとうかよこ/著、グラフィック社
キラキラしたものが好きな子どもだったので、宝石や鉱物の写真をいつまでも眺めていられました。
でも、「鉱物いいよね」なんて言ってる人はまわりにいなかったから、自分は変わっているのかな、と、ひとりこっそりと鉱物を愛でていました。
本屋を始めてから、棚に並ぶ鉱物の本を見つけて「娘が鉱物好きなんですよ」「私も鉱物好きなんです」と、嬉しそうに手に取る方が結構いることに驚きました。
なんだ、みんな鉱物好きなんじゃないか。
好きなモノを好きと言えない素直じゃなかった子ども時代の私に、教えてあげたい。
鉱物、けっこう好きな人多いよ。と。
キラキラしたものが好きな人に、この本を手渡したいです。