ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

くるまりたい

クネクネさんのお友達が主役です。

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『フワフワさんはけいとやさん』樋勝朋巳/文・絵、福音館書店

『きょうはマラカスのひ』のシリーズ。
キュートさはそのままに、毛糸のようなあたたかくてやわらかい要素が加わりました。

毛糸屋さんをいとなむフワフワさんの1日。
丁寧な暮らしぶりにまずほっこり。
お客様に編んだ目出し帽、かぶってみると合わなくて…。
大慌てで編み直しをするフワフワさんと、優しく見守る編み物教室に来ていたお友達。

優しくて、芯のある、フワフワさんのお話。
大切なことがたくさんつまった、素敵な絵本です。
子どもに読んであげたい1冊。

猫の次に

ペンギンのなかでも圧倒的に好きなのが皇帝ペンギンです。

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コウテイペンギン』ヨハンナ・ジョンストン/さく、レナード・ワイスガード/え、こみやゆう/やく、好学社

以前何かの自己紹介で「好きなペット」を書く欄があって、「猫、ペンギン」と書いたら、友人に「ペンギンはペットじゃないでしょ」と笑われました。
ペンギン、飼えないことはないと思いますが、確かに、ペットにするつもりはないです。
でも、それくらい好きな動物。
特に皇帝ペンギンが大好きです。

映画「皇帝ペンギン」が公開されたとき、ひとりで映画館に見に行きました。
フランス語、字幕版。
フランス語で紡がれる皇帝ペンギンの世界に魅了されました。

この絵本は、ワイスガードの絵が素晴らしい。
皇帝ペンギンの世界を見事に再現しています。
極限の地で、愛にあふれた生き方をみせる皇帝ペンギン
もう、私はこの絵本のとりこです。

ミステリーだった

ラストで驚かされ、大好きになった1冊。

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『烏に単は似合わない』阿部智里/著、文藝春秋

平安王朝の雰囲気と、神話ファンタジーの世界を併せ持った、私好みな作品なのですが、ラストはまさにミステリーです。
松本清張賞受賞、納得の面白さでした。

舞台は、八咫烏が支配する架空の世界。
世継ぎの若宮の后選びのために宮廷に集められた4人の姫それぞれの陰謀や恋心が火花を散らします。侍女の失踪、後宮への侵入者、謎の手紙…。次々と起こる事件。后選びの妨害者は誰なのか…?

この作品から、八咫烏シリーズとして、架空の世界「山内」に住む八咫烏の一族をめぐる物語が展開しています。
完璧に作り込まれた世界、魅力的な登場人物、展開のうまさ、文章の巧さ。
申し分のないエンターテイメント作品です。

読書会@ネコオドル

9月16日、ネコオドルで読書会を開催しました。
7月に誕生した寄居読書会とのコラボです。

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小さな寄居町で、本屋開店の同時期に本に関わる企画を始める人がいるなんて奇跡のようで、「ぜひネコオドルでやりませんか!」とお願いしました。今回が第3回目の読書会です。

課題本は芥川龍之介羅生門』『藪の中』
参加者5名。

まずは自己紹介から。
それぞれの思い出の本や、最近読んだ本を紹介しました。
意外にも、最近読んだ本に漫画をあげる人続出。
かく言う私も漫画でした。

自己紹介が終わると読書会に移ります。

まずは芥川龍之介の年譜を確認。
芥川の完璧主義っぷりと、鋭い印象の芥川らしからぬ甘々なラブレターを書いていたことなどをワイワイと確認していきました。

さて、本題となる作品について。
今回は超短編だったので、みんなで朗読をしました。
特に『藪の中』は、ひとりひとり役柄をくじ引きで割り当てて読んだのですが、朗読向きの作品だということを、実際に朗読してみて再確認。本格的な朗読劇を聞きたくなりました。絶対に面白いですよね。

羅生門』も『藪の中』も、芥川の完璧主義を体現したかのような隙のない作品で、そこはもう感嘆する以外ありません。
「おもしろい」これにつきます。

具体的な話し合いの内容はここでは書きませんが、読書会のいいところは、一人で読んでいたら素通りしていたような感情や思いを、言葉にして伝えあうことで、きちんと自分の中に落とし込むことができること。自分では気づかなかったことに気づかせてもらえるのも、いいですよね。

次回は『星の王子さま』を課題本に開催することが決まりました。

読書会、楽しいです!

トリオは無敵

3人組には無敵な何かがあると思います。
トリオ最強説。根拠なし。

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すてきな三にんぐみ』トミー=アンゲラー/さく、いまえよしとも/やく、偕成社

読み聞かせの勉強をしていて、先輩が読んでいたのを聞いたのがこの絵本との出会い。
残念ながら、子どもの頃には知りませんでした。

読み聞かせは、2年生の教室。
「この絵本知ってる~!」という声があがったり、表紙の絵に面白そうな予感を感じたり、読む前から子ども達は楽しみな気持ちでいっぱい。
みんなお話に夢中になっていました。
私もすっかり夢中でした。

とても素敵なお話です。
子どもの頃に、一度は出会いたい絵本です。
読み聞かせのレパートリーに、ぜひ。

自分をみつめる

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アルケミストパウロ・コエーリョ /著、KADOKAWA

羊飼いの少年サンチャゴが、宝物を目指してエジプトのピラミッドへ旅に出るお話。

途中で出会う錬金術師の導き、前兆を見逃さないこと、心の声を聞くこと…など、精神世界を感じるような内容になっています。
でも宗教的なことではなくて、純粋に少年の冒険の物語として楽しむことができ、その中からたくさんの気づきを与えてくれる本です。

夢を実現させるために大切なことを思い出すために、人生の岐路に立たされたときにはぜひ読み返したい1冊です。

ぐるりヨーロッパ

読むだけで旅に出られます。

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『たびネコさん』ケイト・バンクス/作、ローレン・カスティーヨ/絵、住吉千夏子/訳、きじとら出版

翻訳コンクールに毎年応募している友人から教えてもらった本。
翻訳していく過程を一緒に楽しみながら読みました。

ヨーロッパの美しい街並みに、猫の気ままな雰囲気がよく合っていて、ページをめくっているうちに旅に出たくなりました。
たびネコさんのように自由気ままな旅がしたいです。

旅が好きな人、ヨーロッパが好きな人にプレゼントしてあげたい。