ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

お気に入りの傘

雨ですね。

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『ぽつぽつぽつだいじょうぶ?』しもかわらゆみ/作、講談社

雨が降ってきました。
動物たちはそれぞれお気に入りの傘をさしています。
ねずみさん、うさぎさん、くまさん、みんなどんな傘をさすのでしょうか。

けんかしていたたぬきさんときつねさんが、特に私のお気に入り。
傘をさすその表情がとてもキュートです。

繊細に丁寧に描かれた動物たちがすばらしい。
表情が生き生きとしていて、その手触りまで伝わってきそうです。
動物絵本といったらこの人、と言いたくなるほど、しもかわらゆみさんの描く動物はどれもかわいらしく、やさしい愛情を感じます。

雨の日に、子どもたちに語りかけるように読んであげたい上質な絵本です。

猫が時間をお知らせします

いえいえ、時間はおしえてくれませんよ。

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『ねこどけい』きしだえりこ/さく、やまわきゆりこ/え、福音館書店

鳩時計の鳩と遊びたい猫のねねこ。
ちょっかいを出したら時計が壊れてしまいました。
ことちゃんが時計屋さんで直してもらって、おまけにねねこに小さな家をもらいました。
これでもう、ねねこは鳩時計を壊しませんよ。

何気ない日常をやさしくほのぼのとしたタッチで描いた絵本。
なるほど、猫時計かぁ、と、微笑ましくなり。
猫の好奇心と、人々の優しい心に、ホッとします。

山脇百合子さんは『ぐりとぐら』でおなじみなので、親しみを感じる子どもも多いはず。
岸田衿子さんとのコンビでもたくさん絵本が出ています。
あたたかい絵に、やさしいお話。

子どもたちに一度は出会ってほしい、素敵な絵本です。

凛と美しい花

泥の中から咲く美しい花です。

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『ハスの花の精リアン』チェン・ジャンホン/作・絵、平岡敦/訳、徳間書店

湖の舟の上で一人暮らす貧しい漁師のローおじさん。
ある日助けたおばあさんからもらったハスの種を植えて育てると、つぼみの中からリアンという女の子が現れました。
リアンは魔法でおじさんの暮らしを助けてくれて、おじさんの暮らしは豊かになります。
ある日、そのうわさは王の欲ばりな娘にも届き…。

中国の絵本作家、チェン・ジャンホンの作品です。
圧倒的な絵の力、そして物語の力に引き込まれます。

ジャンホンの絵本はどれも力強く、心に迫ります。
この作品はその中ではどちらかというと静かな印象を受けますが、それは、泥の中から美しい花を咲かせる蓮の神秘的なイメージを、そのまま物語にしたかのようで、ジャンホンの物語を紡ぐ才能なのだと感じます。

花の精と漁師の優しい絆を描いた、心癒される物語。
子どもたちに読んで聞かせたい、大型の美しい絵本です。

チャイをたしなむ

2月21日、ホールスパイスを使ってチャイを作る、おしゃれなお茶会にお邪魔してきました。

場所は寄居町のアトリエ・リカさん。
洋服のリメイクやお直しのお店です。
おそらく寄居町でいちばんおしゃれで素敵なお店です。

店主さんは、ヨガと出会い、そこからアロマやスパイス、チャイへと知識を深めていったそうです。お話を聞いていると、体を作るもの、体に取り入れるものについて、自分の生活を見直したくなってきました。自然素材、オーガニックなど、良いとわかっていてもなかなか実践できないでいることはたくさんありますが、私が憧れている「丁寧に生きる」ことは、結局はここにつながるですよね。しみじみと自省しております。


チャイ作りの前に、使用するスパイスについて、ひとつひとつ丁寧な解説がありました。
知っているようで知らないスパイスたち。
色も香りも形も、新鮮な発見がたくさん。

チャイを作るには、スパイスを潰して、茶葉とミルクと一緒に煮た立てます。
これが、本当に思いっきり煮立たせるんです。
こんなに本格的なチャイは、なかなか体験できません。
美味しかったです!

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店主さんが愛用しているスパイス本、私が選書をお手伝いしました。
スパイス本はたくさん出版されているので、どの本がいいか迷ってしまいます。どんな情報が必要なのかヒヤリングしながら、図書館で取り寄せた本も比較しながら、じっくりと選び抜いた1冊。
大型で写真も美しく、持っていて楽しい気持ちになる素敵な本です。

チャイを作る材料のひとつにクローブというスパイスがあったのですが、その形を見て、中学生の頃にクローブとオレンジで「ポマンダー」というものを作ったことを思い出しました。魔除けの飾りとか。
なつかしい気持ちになりました。

アトリエ・リカさんに行くと、いつも素敵な出会いや気づきがあります。
今度はポマンダーを作りたい、と、密かに盛り上がっています。

美味しいいちご

いちごの季節です。

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『せかいいちのいちご』林木林/作、庄野ナホコ/絵、小さい書房

シロクマさんのところへ、手紙が届きます。
「いちごを贈ります」
いちごって、赤くて小さくて可愛らしい。
シロクマさんは、届いた一粒のいちごを大切に思います。

猫の絵本でもおなじみ、庄野ナホコさんが絵を手がけた絵本。
シンプルな色合いなのにとてもポップで、本当にキュートです。

本の帯に書かれたコピーが印象的。

ふえると、へる。
増えると、減る。

いちごが増えると、なにが減るのでしょうか。

大人にも、ぐっとくるはず。
かわいいお友達にプレゼントしたくなる絵本です。

からだをつくるもの

みんな食べたものでできている。

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『なにをたべてきたの?』岸田衿子/文、長野博一/絵、佼成出版社

白いブタくんがリンゴを食べると、おなかが赤色に。
レモンを食べると、おなかに黄色が増えます。

食べると、おなかがその色に染まっていく、かわいらしい絵本です。
どんどん食べて、どんどん色が増えていく。

シンプルでさわやかな絵に、色鮮やかなおなかの色が楽しい。

お話の展開もおしゃれです。
食いしん坊できれい好きなブタにぴったりのお話。

表紙のブタくんのおなかの色、何を食べた色かな?
と、小さい子も楽しめる絵本。
食べることが楽しくなる、食育にもいいみたいですよ。

寝る子は育つ

猫の日は、大好きな酒井駒子さんの猫絵本。

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『ヨクネルとひな』LEE/文、酒井駒子/絵、ブロンズ新社

ひなちゃんのうちにやってきた子猫。
野良猫のお母さんが連れてきました。
女の子と子猫のやさしい出会いの物語。

酒井駒子さんの作品が大好きです。
大好きすぎてブログが酒井駒子さんだらけになるのを心配して紹介するのを自粛していたら、この絵本を紹介しそびれていました。というか駒子さんの紹介したい本、もっとあります。

そういう作家さん、何人もいます。

酒井駒子さんのやさしいタッチで描かれる子どもや猫の絵は、あたたかいのにどこか神々しい。

ずっと眺めていたい、癒やしの絵本です。