狼のうた
ともに生きたい。
『オオカミのうた』ポール&ドロシー・ゴーブル/作、大中弥生子/訳、ほるぷ出版
探検に出て道に迷ったインディアンの子ども達と、ハイイロオオカミの物語。
細やかで繊細で、平面的にデザインされながらも躍動感のある絵。
不思議な魅力あふれる絵本です。
精霊を信仰し自然と共存して生きてきたインディアンの、力強い生き様を感じさせる。
人も動物も、助け合い豊かに暮らしていた美しい時代を描いた、美しい絵本。
でも、現代社会では、信仰も自然との共存も忘れ去られ、遠い昔のことになってしまっている。
そう訴えてくる、哀しい絵本でもあります。
この絵本は、図書館のリサイクル本コーナーで見つけて連れて帰ってきました。
美しい時代が、図書館からも忘れ去られてしまうことがないように。
バーコードを剥がすために表紙まで切り取られてしまっているのがちょっと残念…。
ポール・ゴーブルはアメリカ・インディアンの作品をいくつか描いています。
ほかの絵本も読んでみたい。
惹きつける魅力があります。
大事なことを伝えてくれる絵本です。