ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

怪物

どこいくの?

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『怪物園』Junaida/著、福音館書店

怪物園は、はるかいにしえの時代から、たくさんの怪物たちをのせて、長い長い旅を続けていました。
ある静かな夜、怪物園がうとうと居眠りしたすきに、開け放しの玄関から怪物たちが外の世界へと抜け出しました。

怪物たちが街の通りを行進しているので、人々は外へ出られません。
家のなかで子ども達は、手作りの段ボール箱のバスで、空想の世界へ冒険に出かけます。

コロナ禍で外に出られない、現在の私達の世界のよう。
空想の力を使えば、どこまでも自由に行くことができる。

怖そうな怪物達も、外には出てみたものの、どこに向かっているのやら。
もしかしたらなにか困っているのかもしれません。

相容れないと思われる相手とも対話してみることの大切さも、この絵本から教わった気がします。

Junaidaさんの色彩豊かで美しくも可愛らしくもある絵、見ていて飽きない不思議で楽しい絵本です。