水晶と少年
石の妖精。
『水晶庭園の少年たち』蒼月海里/著、集英社
亡くなった祖父の鉱物コレクションと、不思議な雰囲気の少年との出会い。
少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。
愛犬のメノウを亡くした喪失感があまりに深くて、読んでいて心が痛くなりました。
突如として始まる鉱物講義にすこし戸惑いを感じましたが、でも、物語を楽しみながら鉱物の知識を得られるなんて一石二鳥、と思いながらの読書となりました。
石をそこらへんに捨ててはいけない理由にも、納得。
きちんと元の場所に返してあげなくてはいけない。
この物語のキーにもなっているこのことが、科学的な理由や理屈だけではなく、どこか幻想的にも感じることができるのが、物語の素敵なところです。
鉱物ファンタジー。
キラキラしてます。