と思いきや
異世界への入り口はやっぱりそこ。
『ねこはるすばん』町田尚子/作、ほるぷ出版
ねこは、るすばん。とおもいきや…?
人間の知らない、ねこの意外ないちめん。
『ネコヅメのよる』で大好きになった町田尚子さんの新作猫絵本です。
町田さんの絵本の何がいいって、まず表紙がいい。
どの絵本も、表紙の猫の表情がすばらしいんです。
表紙だけでこんなにうったえてくる猫はなかなかいませんよ。
手に取らずにいられる猫好きはいないと思います。
この『ねこはるすばん』も、この表情ですよ。
金色の目に吸い込まれそうだし、もの言いたげな口もと、ピンクの鼻はちょんっと突かずにはいられません。
『ネコヅメのよる』は人間の知らない「夜の世界」でしたが、今回は人間の知らない「留守番の世界」。
猫って、人間の知らない世界をいくつ持っているのでしょう。
人間が見ていないから現れるその世界、私には「見られない」から存在する世界。
見てみたい!
ユーモアたっぷりの猫絵本。
最後のページの猫の表情がとてもいいです。