病の歴史
今でしょ。
『病が語る日本史』酒井シヅ/著、講談社
積ん読になっていた本。
今読まなくていつ読むのだ、という感じで読みました。
興味深く面白くてあっという間に読了。
病は神仏の祟りだと信じられていた古代。
医者よりも祈祷師の方が活躍していた平安時代。
長らく病気は虫のせいだとされていた日本。
明治維新で西洋医学が普及する以前の日本を知ると、現代のありがたみを感じます。
病の歴史のなかで、神に祈ることは大事なことだったそうです。それは、やすらぎを得ることが医の基本だったから。
今でもそれは変わらないと思います。
著者が、今の医療は体を治すけれど心を置き去りにしている、ということを書いていて、現代医療の抱える問題について、少しだけ触れた気がしました。
今、新たな感染症を前に、心のケアの重要性を感じている人がたくさんいると思います。
体も心も健やかに、やすらぎを。
日本の病の歴史を知ることができる興味深い1冊です。