ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

山のこと

山のようにどっしりと。

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『街と山のあいだ』若菜晃子/著、KTC中央出版

登山の専門出版社に勤めはじめて山の魅力にどっぷりハマった著者による、山のエッセイ。

静かな文章で描かれる、豊かな山と自然の風景。

私が最後に山に登ったのは、覚えているかぎりでは大学4年生の冬。
両親と一緒に長瀞宝登山に登りました。
ロープウェイを使わずになぜ歩いて頂上へ行くことになったのか、登ることになったいきさつは覚えていないのですが、ゆったりとした山登りを経てたどり着いた頂上で、黄色い蝋梅の花が咲いていたのが印象的でした。

それ以来、登山とは無縁の生活をしているので、この本のなかでいろいろな山が登場するけど、いまいちよくわかりはしないのです。
それでもこの本を読んでいると、山の雨にしっとりとぬれ、霧に包まれ、山の植物たちに出会う喜び、山の神秘に触れた瞬間の厳かな気持ちを、自分が体験したかのようにひたひたと感じることができるのです。

読み始めると、すっと心が鎮まるのを感じます。
少しずつ大切に読み進めたい1冊です。