ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

図書館の歴史

人にも建物にも、物語がある。

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『夢見る帝国図書館中島京子/著、文藝春秋

上野で出会った喜和子さん。
明治にこの国に初めてできた「図書館」。
喜和子さんが生きた人生と、図書館の歴史をたどる物語。

図書館が主人公の小説を書くという発想、子どもの頃に出会った忘れられない絵本の思い出。
ちりばめられたエッセンスがどれも魅力的。
登場する人物も個性的で必然的で、魅力的なエッセンスのひとつです。

図書館に通っていた文豪たちの逸話がちりばめられていたり、図書館と予算との戦いはいつの時代も変わらないどころか、最初からそうだったのかい!という永遠の課題を見せつけられたり、とにかく図書館好きにはたまらないエピソードがたくさん登場します。

そして、深い。
図書館の歴史を紐解きながら、一人の女性の人生を描いています。
人も社会も教育もなにもかも戦争や災害によって翻弄された時代。
一番の犠牲者は、大人の意思に巻き込まれるしかない「子ども」だということ。

久しぶりに、読み終わって熱い思いが胸に残る本に出会いました。
だから読書はやめられない。

本を愛するすべての人に。