呪いをとくもの
うっとりとします。
『ノロウェイの黒牛』なかがわちひろ/文、さとうゆうすけ/絵、BL出版
身の毛もよだつ怪物とされるノロウェイの黒牛と結婚してもいいという娘。黒牛の背に乗り、果てしない旅に出た娘は、黒牛にかけられた呪いを知り…。
娘と呪われた黒牛の、ふしぎな恋の物語。
スコットランドの昔話です。
ファンタジー好きの私、この表紙を見ただけでビビッときます。
絶対好きなやつだ、これ。
子どもの頃好きだったお話に、アンデルセンの「白鳥の王子」があります。「野の白鳥」とも言うそうですが、魔法で白鳥に変えられてしまった11人の兄を救う王女の物語です。
王女は様々な困難に合い、危険にさらされながらも、たったひとつのことを信じて孤独に戦い抜く。
私が、強い女性の物語が好きな原点は、ここにあるのかも。
自らの信念に従い、強い心で未来を切り開いていく。
そんな芯の強い女性に憧れます。
この『ノロウェイの野牛』も、強い女性の物語です。
強い女性は、美しい。
美しい絵と文章で綴られた、美しい物語。
大人にも手に取ってほしい絵本です。