思い出を縫い上げる
賢治じゃないですよ。
『ヤマネコ毛布』山福朱実/作・画、復刊ドットコム
森を出ることに決めたヤマネコのために、森の仲間たちが布と糸を使って思い出を縫い上げた毛布をつくります。
楽しかったこと、腹立たしかったこと、思い出の中身はそれぞれ。
いいことばかりじゃなかったみたいだけど、全てが大切な思い出で、宝物です。
縫い上がったそれぞれの思い出を、本当の布と糸で作ってみたいと思いました。
布絵本として、この絵本を再現できたら素敵だと思いませんか?
布の手触り、柔らかさを想像しながら、この絵本をめくりました。
『ヤマネコ毛布』というタイトル、宮沢賢治作品ぽいと勘違いされる方もいるのですが、これは山福朱実さんのオリジナル。大判の絵本で、山福さんの版画の力強さが堪能できます。
山福朱実さんは、石牟礼道子さんの『水はみどろの宮』福音館書店版の挿画を手掛けられています。私が山福さんを知ったのはこの本がきっかけでした。大好きな作品です。
「好き」の世界を広げていける、こうした出会いが本を読む楽しみでもあります。