ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

エール

からだの中からあたたまる。

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『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都/著、集英社

結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。
どん底の彼女に叔母のロッカさんが提案したのは、“やりたいことリスト"の作成でした。

丁寧な描写で紡がれる、じんわりと心に染みる物語。
ゆっくりと、でも確実に前に歩み出す主人公から元気がもらえます。

「自分の気持ちに正直に生きる」ことは、簡単ではない。
社会の中で、友達や恋人や家族の中で、誰かに気を遣いながら生きている。
自分ベースで生きられたら楽だろうとわかっていても。

私がこの本を読んだ頃、ちょうど知人が婚約間近と思っていた恋人と別れた時期でした。
設定があまりにもハマりすぎていたので、当時の彼女にはすすめられなかったのですが、この本に込められたエールを、彼女みたいにどん底にいる女性に届けたいと思いました。
そしてこの主人公のように、少しずつ立ち直ってほしい、と。

読み終えたあとの、すがすがしい気持ち。
じんわりと染みる、スープのような小説です。