ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

お客さま

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『黒ねこのおきゃくさま』ルース・エインズワース/作、山内ふじ江/絵、荒このみ/訳、福音館書店

冬の嵐の晩に、おじいさんの家に1匹の黒猫がやってきます。
びしょぬれで痩せ細った猫に、おじいさんはミルクもパンもすべてあげて、とっておきのお肉まであげてしまいます。さらには貴重な薪をすべて暖炉にくべて、猫をあたためてあげます。そして翌日、おじいさんに起こった奇跡とは-。

ラストはちょっと謎が残る感じで、いろんな想像ができます。

与えることで自分も満たされる。
人情深いおじいさんの行いは、読んでいてあたたかい気持ちになります。
私は自分が満たされることばかり考えてしまっていないだろうか、と、省みるきっかけになりました。

この絵本は、なぜか新古書店で見かけることが多くて、それが少し残念です。
美しい絵のとても素敵な絵本なので、長く手元に置いて、時々読み返してほしい。
寒い冬の夜、あたたかい部屋の中で子どもに読んであげてほしい。
そんな絵本です。