大人のための猫寓話
ひと味違う、猫の物語。
さすが町田康、という感想。
猫が出てくる5つの寓話短編集なのですが、一筋縄ではいかないのです。
ヒグチユウコさんの挿絵が独特の世界観を増幅させています。
そんな中でも、表題になっている「猫のエルは」というお話は、涙を誘う、短い詩のような作品。こういうのも入っているから、ずるいなぁって思います。やられますよ。猫好きは。
かわいいだけの猫には興味がないという人に、ぜひすすめたい。
気高くて気まぐれな猫の魅力を、町田節で。
猫好きな方へのプレゼントにも喜ばれそうな、美しい装丁の本ですが、なんせエッジがきいてますから、上級者向けかも?
私なら迷わずプレゼントに選ぶ、特別な1冊です。