ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

猫のおんがえし

ふんわりしたかわいい絵にひそむ、意外性。

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『くつやのねこ』いまいあやの/文・絵、BL出版

民話「長靴をはいた猫」をアレンジした絵本。
貧しい靴屋が、いっぴきのねこと暮らしていました。お客さんがさっぱりこず、お店をたたむしかないかと途方ににくれる靴屋に、ねこはよい考えがあると言い、じぶんのために立派なくつを作ってもらいます。そして…。

この絵本のいいところは、昔話の残酷性を残しているところだと思います。
最近は、退治されるはずの悪者が「改心して一緒に仲良くめでたしめでたし」というラストに書き換えられる民話もあるようです。
残酷な描写はよくない、と、避ける傾向があるんですよね。
それが本当にいいことなのか、いろんな意見があると思います。
野村ヒロシさんの『昔話は残酷か―グリム昔話をめぐって』を読んでみて、考えてほしい論題です。
ハッピーエンドの裏側にある、残酷。

この絵本は、ふんわりした絵がかわいらしい現代絵本なので、お話もふんわりふんわりしているのかと思っていたので、読んでみて「おおっ!」と思いました。
意外性、ありました。