少女のはじめて物語
本編全6巻。ラストがね、いいんです。
『RDG レッドデータガール』荻原規子/著、KADOKAWA
荻原規子さんの描く、現代日本を舞台にしたファンタジー。
主人公の泉水子は、大きな影響力を持った存在なのに、どこまでも控えめな女の子で、そのガツガツしてない感じ、キラキラしすぎない感じが何ともいいのです。
姫神、山伏、陰陽師など、日本古来の不思議な力をもつ人々が勢揃いします。でもみんな高校生。
大きな力を持つけれど、まだ不完全な子ども。
自分を誇示したり、妬んだり、悩む姿は等身大の高校生です。
学園ものであり、恋愛ものであり、ファンタジーであり。
いろんな要素を楽しむことができる物語です。
荻原規子さんの、日本神話や神仏信仰に対する深い造詣も覗うことができます。
現代日本の高校生のお話なのに、違和感なく不思議な世界が描けるのは、荻原さんだからこそ。
そしてとてもおもしろい。
これに尽きます。
そして酒井駒子さんのイラストがいい!