賢治の世界
宮沢賢治にはどんなイメージを持っていますか?
「雨ニモマケズ」の力強いイメージや、児童文学のイメージ、地質学の学者のイメージなど、宮沢賢治にはいろんな顔があると思います。
私の中の宮沢賢治は「幻想的」。
賢治と言えば浮かぶのは、天文、鉱物など、キラキラしたイメージです。
この『銀河鉄道の夜』はそのイメージをそのままひとつにまとめ上げたような、美しい作品です。
清川あさみさんは、紙や写真に布や糸、ビーズ、スパンコールを縫いつけて絵にする作家さんです。はじめてこの本に出会った時は、なんて作品世界にぴったりな作品を作り出す人なんだろう!と、感動しました。
私の思い描く宮沢賢治、銀河鉄道の世界のきらめきを、余すところなく表現しているのがこの本です。
物語を読むだけならば文庫本でも十分ですが、『銀河鉄道の夜』の世界観を味わうなら、この1冊がおすすめです。