ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

いるんです。

それだけでいい。 『ねこいる!」たなかひかる/作、ポプラ社ねこがいるか、いないか。本当にそれだけなのです。 ねこ、いる! それだけを楽しむ絵本なのです。猫圧とでも言うのでしょうか。「猫である」ということだけをとにかく主張してくる絵本。大好物で…

神様

神様は偉大で、やっかいだ。 『その午後、巨匠たちは、』藤原無雨/著、河出書房新社町にふらりと現れた、歳を取らない女性・サイトウ。 山の中に建てた神社に6人の巨匠画家を神様として呼び寄せた。 町は、画家たちが描く絵画の世界に支配されていくが…。…

ホラーか猫か

怖くない、は嘘になる。 『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』伊藤潤二/著、講談社ホラー漫画家・伊藤潤二の猫コミックエッセイ。コミックエッセイという響きがこんなに似合わないコミックエッセイがあったでしょうか。 ギャグとホラーが入り交じってとにかく強…

お店番@太原堂

3月21日、熊谷にあるブックアパートメント太原堂さんでお店番をしました。太原堂は、ひと棚ごとにオーナーさんがいて、それぞれがこだわりの本を並べて販売している本屋さん。普段はスタッフさんにおまかせっきりなのですが、お店番ができるということで挑戦…

歴史に埋もれる

元祖ひとり出版社。 『第一藝文社をさがして』早田リツ子/著、夏葉社戦前のひとり出版社「第一藝文社」の知られざる軌跡を描く。戦前の小さな出版社に興味を持って調べる。 そんな風変わりなことをする人が私以外にもいたのかと、勝手ながら同士の活動報告…

戦争と猫

戦争の愚かさを。 『シリアで猫を救う』アラー・アルジャリール/著、ダイアナ・ダーク/著、大塚敦子/訳、講談社内戦下のシリアで、人や動物を助ける活動を続けるアラー・アルジャリールの記録。子どもの頃から消防士や救急車の運転手になるのが夢だったア…

そっと見まもって。 『BとIとRとD』酒井駒子/作、白泉社ちいさな女の子、□(しかく)ちゃん。8編のショートストーリーで綴られた美しい大人の絵本です。子どもにしか見えない世界というのはきっとあって、それは空想とかあっちの世界とかではなく、自…

やさしさとはなにか

猫は出てこないけど。 『やさしい猫』中島京子/著、中央公論新社シングルマザーのミユキさんと、日本に暮らす8歳年下スリランカ人のクマさん。 出会って惹かれあったふたり、ずっと一緒にくらしていくという願いが、突然奪われて…。ずっと一緒にいたいだけ…

部屋の音

世界は音であふれている。 『おへやのなかのおとのほん』マーガレット・ワイズ・ブラウン/文、レナード・ワイズガード/絵、江國香織/訳、ほるぷ出版風邪をひいて寝ている子犬のマフィン。 目をとじて耳をそばだてると、家の中のいろんな音がきこえてきま…