ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

百年の継続

必要だから作る、ただそれだけ。 『100年かけてやる仕事 中世ラテン語の辞書を編む』小倉孝保/著、プレジデント社2013年、イギリスで『中世ラテン語辞書』が100年以上の年月をかけて完成した。 採算度外視ですすめられた辞書作りプロジェクトを追ったノンフ…

ぽっちゃり

デブ猫の大冒険。 『かなしきデブ猫ちゃん』早見和真/文、かのうかりん/絵、集英社デブ猫マルは、幸せな家ネコ生活から、ひょんなことで家を飛び出すことになり―。 愛媛県内を東へ西への大冒険。マルが家を出た理由がかなしすぎる。 見た目によらずとって…

キャッツ

歌うように読みたい。 『 キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』T・S・エリオット/著、エドワード・ゴーリー/挿画、小山太一/訳、河出書房新社ミュージカル「キャッツ」の原作を、エドワード・ゴーリーの挿絵で。さまざまな猫たちが繰り広げる、奇想…

ぐるぐる

ナイスうずまき! 『鎌倉うずまき案内所』青山美智子/著、宝島社悩める人々が迷い込む「鎌倉うずまき案内所」。 そこは双子のおじいさんとアンモナイトがいる不思議な場所。6年ごとに遡りながら、少しずつ繋がっている物語。 人々は「案内」をきっかけにそ…

おふろ

10数えてあがりましょう。 『おふろ こねこのきょうだいかぞえうた』石津ちひろ/ぶん、石黒亜矢子/え、BL出版こねこのきょうだい、おふろに入ります。 おふろっていい気持ち!ひとつ、ふたつ、と数えながら猫の3兄弟が仲良くお風呂に入る、かぞえうた絵…

いつくしむ

その穴、ふさいでもいいですか? 『あなふさぎのジグモンタ』とみながまい/作、たかおゆうこ/絵、ひさかたチャイルドジグモのジグモンタは、穴ふさぎが得意な服の修理屋さん。 でも、みんな新しいものを欲しがるようになって…。 「穴ふさぎなんてもう役に…

ジンジャー

茶色は生姜色。 『ねこのジンジャー』シャーロット・ヴォーク/作、小島希里/訳、偕成社猫のジンジャーは優しいテレサのだっこが大好き。 いつものんびり、かごのなかでお昼寝。 ところがある日、子猫がかごの中に入ってきた。 ジンジャーと子猫、仲良く遊…

猫と暮らす

ともに生きる。 『命とられるわけじゃない』村山由佳/著、ホーム社愛猫もみじを看取ってから1年。 確執があった母との永遠お別れ。 それは、1匹の猫との出会いの時でもありました。猫たちと暮らす村山由佳さんのエッセイ。もみじとのお別れも、お絹さんとの…

烏外伝

垣間見る。 『烏百花 白百合の章』阿部智里/著、文藝春秋八咫烏シリーズ人気キャラクターたちの秘められた過去や、知られざる思い。 本編では描かれることのなかった珠玉のエピソード。本編も第2章がはじまったばかりで続きがとっても気になるのですが、そ…

うちのこ

生後半年をすぎて、やんちゃざかりの女の子ベル。 ある日の夜、やらかしました。気づかないあいだにトイレに入り込んで、閉じ込められてしまったのです。何かすごい物音がする、と思いドアを開けたら、暗闇の中からベルが飛び出してきました。 閉じ込められ…

犬はだめ?

あきらめない。 『いぬおことわり!』H.A. レイ/え、マーガレット・W・ブラウン/さく、ふくもとゆみこ/やく、偕成社イヌは、動物園に行ってみたいと思っていました。 でも飼い主のおじさんに連れられて動物園に行ってみると、「いぬおことわり」と書かれ…

美賀子

女の幕末。 『正妻 慶喜と美賀子』林真理子/著、講談社一条家から一橋慶喜のもとへ嫁いだ美しき姫、美賀子の目線で描いた幕末大河小説。NHK大河ドラマ「青天を衝け」で、登場シーンは少ないもののとても印象深く、気になっていた美賀君。本を探してみたら、…

お客さまのこと

久しぶりにお店のこと。 以前から考えていたことで、最近強く意識する機会がありました。ネコオドルでは、お客さまのことはSNSなどの記事にしないようにしています。こんなお客さまとの会話がありました。 同級生が来てくれて20年ぶりの再会でした。 本の趣…