ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画館で働く

『幻想電氣館』堀川アサコ/著、講談社趣味はシリトリという古風な高校生スミレは、ある日商店街の映画館に迷い込む。 そこで映写技師に一目惚れしたスミレは、アルバイトを始めることに。 風変わりな特技を持つスミレと、不思議な映画館で出会う不思議な人…

子猫が知る世界の秘密。 『ちいさな島』ゴールデン・マクドナルド/さく、レナード・ワイスガード/え、谷川俊太郎/やく、童話館出版ちいさな島を舞台に、生き物たちと四季の移ろいを描いた絵本。まず最初のページから、詩的な言葉に引き込まれます。 谷川…

魔女が生み出すファンタジー

想像の空を飛んで。 『ファンタジーが生まれるとき 『魔女の宅急便』とわたし』角野栄子/著、岩波書店幼い頃からの体験、童話作家としての歩み。 想像の世界とのつきあい方から、『魔女の宅急便』誕生の裏側まで、角野栄子さんの創作の秘密を垣間見られます…

魅惑の部屋

この世界のすべて。 『ヴンダーカンマー ここは魅惑の博物館』樫崎茜/著、理論社職業体験で県立博物館に行くことになった5人の中学生。 それぞれ別々の仕事を手伝うことに。 博物館にまったく興味のなかった5人の、それぞれの成長物語。魚類、鳥類、哺乳類…

さよなら星の王子さま

表紙の黄色が美しい。 『絵本星の王子さま』サンテグジュペリ/著、池沢夏樹/訳、集英社星の王子さまを絵本で。原作の良さをそのままに、小さな子どもでも読めるようになっています。 イラストも大きく美しく、見ごたえがあります。様々な物語が簡略化され…

ニャンコとねこ

いっしょにいよう。 『ふたりのねこ』ヒグチユウコ/著、祥伝社ぼっちゃんと暮らしていた猫のぬいぐるみ「ニャンコ」。 気づいたら、ひとりぼろぼろになって公園にいました。 公園に住む猫のおんなのこ「ねこ」と出会い、ぼっちゃんを探します。美しい絵と、…

美術館で働く

やるしかない。 『展覧会いまだ準備中』山本幸久/著、中央公論新社新米学芸員の今田弾吉は、日々雑用をこなすことに精一杯で、いまだ自ら企画した美術展を実現させていない。 だが、応援団OBから鑑定を依頼された1枚の絵が、彼の心に火をつけた。大学時代は…

効率よく

読書でスキルアップ。 『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』四禮静子/著、技術評論社タイトルにぐっときました。 ドキッときた、というべきでしょうか。 スペースキー使ってる…。ExcelとWordを効率的に使いこなすためのノウハウを教えてくれる実…

パリで働く

仕事と暮らし。 『パリの国連で夢を食う。』川内有緒/著、幻冬舎パリの国連で働いていた5年半のあれこれ体験記。川内有緒さんが取材して書いたノンフィクションを読んでいたら、その端々に見え隠れする川内さん自身の生き方にとても興味がわいてきて、この…

人魚

人間に恋をした。 『人魚姫』アンデルセン/原作、清川あさみ/絵、金原瑞人/訳、鈴木理策/写真、リトルモア布、糸、ビーズ。 清川あさみさんが描く人間に恋をした人魚の物語。子どもの頃に読んだ人魚の物語を、大人のための絵本に。深い海は青一色ではな…

春一番

神様は犬。 『エチュード春一番 第1曲』荻原規子/著、講談社大学生になる春、美綾の家に迷い込んできたパピヨンは八百万の神様だった。 希望と悩みでいっぱいの大学生活と、ちょっと変わった神様との共同生活。 幼なじみとの再会と、昔の同級生の死にまつわ…

ルーヴルにいる

白猫。 『ルーヴルの猫』松本大洋/著、小学館ルーヴル美術館の屋根裏に、人間から隠れて暮らしている猫たち。 1匹の白猫がきまりを破って外の世界にとびだしていく。おとぎ話のようにメルヘンチック。 ミュージカル「キャッツ」を思い起こさせるような美し…

週末は猫

島といえば、猫。 『週末島旅』小林希/著、幻冬舎世界中を旅する作家・小林希さんによる、日本の島旅エッセイ。旅に出ることがむずかしい今だから、旅にまつわる本を読みたくなる。 小林希さんは、『日本の猫宿』『世界の美しい街の美しいネコ』など、猫と…

本と旅する

本と旅は相性がいい。 『本とあるく旅』森まゆみ/著、産業編集センター旅先での本をめぐる断想を綴ったエッセイ集。名作の舞台や作家の故郷をめぐり、旅先での思いかげない本との出会いを楽しむ。名作の舞台をめぐる、と言えば、近頃は聖地巡礼といわれるア…

パパ猫

ピクニックに連れてって。 『とうさんねこのすてきなひみつ』メアリー・チャルマーズ/ぶん・え、あきのしょういちろう/やく、童話館出版ピクニックに行きたい子猫たちと、父さん猫のサプライズ。猫の絵本というより、人を擬猫化したという印象の絵本でした…

外は嵐

ヒグチユウコさんの美しい装画。 『図書館の外は嵐』穂村弘/著、文藝春秋歌人・穂村弘さんの読書日記。小説から歌集、漫画や絵本など、幅広いジャンルから本を紹介しています。日記形式なので、次に手にする本への流れがとても自然で、穂村さんの日常の読書…

聞こえるよ

耳をすますと。 『きこえるきこえる』マーガレット・ワイズ・ブラウン/作、レナード・ワイズガード/絵、よしがみきょうた/訳、小峰書店目にごみが入り、お医者さんに包帯を巻いてもらった子犬のマフィン。 目をつぶったときのように真っ暗だけど、大丈夫…

ブックオフ

愛にあふれてる。 『ブックオフ大学ぶらぶら学部』夏葉社ブックオフを愛する人々による、ブックオフの魅力と思い出。私もブックオフが大好きです。 深谷の国道沿いにある2店をはしごすることも。頭の中にある「探している本リスト」を思い浮かべながら棚をチ…

ねこがいる

ねこ、なにしてる? 『ねこいるよ』武鹿悦子/作、直江みちる/絵、リーブルねこいるよ。 顔洗ったり、あくびしたり。 お母さん猫のもとをはなれて、ちょっと冒険。ちっちゃくてかわいい子猫のしぐさを丁寧に描いた絵本。子猫のぽわぽわっとした毛並みが伝わ…

たちどまる

裏表紙のアマビエが美しい。 『たちどまって考える』ヤマザキマリ/著、中央公論新社パンデミックを前にあらゆるものが停滞し動きを止めた世界。 イタリア、キューバ、ブラジル、アメリカと、世界を渡り歩いてきた漫画家・ヤマザキマリさんが、たちどまって…