ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ねこになる!

まーるくなって。 『ねこになっちゃった』角野栄子/作、よしむらめぐ/絵、小学館アコちゃんの仲良しは、ぬいぐるみのトラトラちゃんとクマちゃん。 みんなで、隣のうちのねこのミミのまねをして遊びます!とってもかわいらしい絵本です。 ふっくらとした優…

梨の子

可愛くて強い女性は美しい。 『梨の子ペリーナ』イタロ・カルヴィーノ/再話、関口英子/訳、酒井駒子/絵、BL出版梨と一緒にかごに入れられ、王様の宮殿にやってきたペリーナ。 召使いとして働くペリーナは、誰からもかわいがられ、王子とも仲良くなりま…

三足の烏

来園か、地獄か。 『楽園の烏』阿部智里/著、文藝春秋資産家である養父から、ある「山」の権利を相続した安原はじめ。 その途端、彼のもとに「山を売ってほしい」という依頼が次々と舞い込み始める。 この山には一体、何が隠されているのか? 八咫烏シリー…

ぼくの声

あふれる思い、聞いて。 『ぼくはいしころ』坂本千明/作、岩崎書店石ころのように、じっとだまって、ひとりで生きる黒猫。 でもあるとき、「こんにちは」と声をかけてくる人間があらわれて…。『退屈をあげる』のたましいを受け継ぐ、尊い本です。 涙があふ…

と思いきや

異世界への入り口はやっぱりそこ。 『ねこはるすばん』町田尚子/作、ほるぷ出版ねこは、るすばん。とおもいきや…? 人間の知らない、ねこの意外ないちめん。『ネコヅメのよる』で大好きになった町田尚子さんの新作猫絵本です。町田さんの絵本の何がいいって…

ニャンルー

慈しむこころ。 『ねこのニャンルー』どいかや/作、偕成社森の中で家族と暮らす、ねこのニャンルー。 おばあちゃんにおそわって、おじいちゃんのセーターだった毛糸をぜんぶ使って、長い長いマフラーを編むことに。ニャンルーと家族の、あたたかな物語。 お…

ねんねんねこねこ

夢の中ならどこへでも。 『ねんねこ』ザ・キャビンカンパニー/作・絵、小学館夜、なかなか眠ろうとしない子猫。 お母さん猫は、夢の中で遊びましょうと、夢の中で待ち合わせをします。独創的なタッチと色彩で人気の、ザ・キャビンカンパニーの猫絵本。 色彩…

映像の裏側

想像してごらん? 『イマジン?』有川ひろ/著、幻冬舎ドラマや映画をつくる映像制作の現場に飛び込んだリョースケ。 憧れの世界で、ひたすらにがむしゃらに突っ走る!最近のテレビドラマは、SNSなどに公式情報をいろいろアップしていて、撮影現場の様子をの…

音の正体

静かな音。 『しずかでにぎやかなほん』マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく、レナード・ワイスガード/え、谷川俊太郎/やく、童話館出版ある夜、子犬のマッフィンは、とても静かな音で目を覚ましました。 とてもとても静かな、その音の正体は?大好きな…

愛しの黒猫

黒猫は奥が深い。 『魅惑の黒猫 知られざる歴史とエピソード』ナタリー・セメニーク/著、グラフィック社黒猫の歴史や伝説、知られざるエピソードが楽しめる魅力的な1冊です。黒猫びいきというわけではないのですが、子どもの頃はじめて飼った猫が黒猫で、そ…

カラフルな数

左右盲も研究してほしい。 『1は赤い。そして世界は緑と青でできている』望月菜南子/著、飛鳥新社「文字に色がついて見える」共感覚を備える女子大学生が、ありのままを綴ります。なんとなくの知識しかなかった共感覚。 とても興味深く読みました。共感覚…

犬王

窮極の美。 『平家物語犬王の巻』古川日出男/著、河出書房新社「平家物語」の現代語訳を手がけた古川日出男による、平家物語異聞。犬王は、同時代を生きた観阿弥、世阿弥とともに三代将軍足利義満の愛顧を受け、二者よりも贔屓にされていたと言われる能楽師…

春と

風を感じる。 『写訳 春と修羅』齋藤陽道/著、宮沢賢治/著、ナナロク社宮沢賢治の四篇の詩と、写真家・齋藤陽道が東北を中心に撮影した写真群。ミュージシャンの米津玄師さんが、創作に影響を受けた作品と語っていた宮沢賢治の「春と修羅」。 その詩の世界…

書くことは生きること

天職かもしれない。 『食っちゃ寝て書いて』小野寺史宜/著、KADOKAWA年齢的にも仕事的にもあとがない作家とあとがない編集者。 二人は自分の殻を破って先に進むことができるのか。「出版社とか編集の仕事をやりたいと思ったことあるの?」と、ある…

千年の森

ブルースを歌う犬。 『 千年の森をこえて』キャシー・アッペルト/著、片岡しのぶ/訳、デイビッド・スモール/絵、あすなろ書房テキサス州東部、メキシコ湾へと流れこむサビーン川の上流。 うっそうとした森に1匹の捨て猫が迷いこみ、千年にわたる不思議な…

床下の

上と下の世界。 『 床下の奴ら 庭付き・ネコ付き・一戸建て』Moon Ligft Sword/著、雷鳥社一軒家の住人と「床下の奴ら」の、日常のお話。 ほのぼのとあたたかく、おかしくて、ちょっとせつない。素敵な写真がたくさん。 お話からも写真からも、猫たちへの愛…