ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

猫のおんがえし

ふんわりしたかわいい絵にひそむ、意外性。 『くつやのねこ』いまいあやの/文・絵、BL出版民話「長靴をはいた猫」をアレンジした絵本。 貧しい靴屋が、いっぴきのねこと暮らしていました。お客さんがさっぱりこず、お店をたたむしかないかと途方ににくれ…

少女のはじめて物語

本編全6巻。ラストがね、いいんです。 『RDG レッドデータガール』荻原規子/著、KADOKAWA荻原規子さんの描く、現代日本を舞台にしたファンタジー。 主人公の泉水子は、大きな影響力を持った存在なのに、どこまでも控えめな女の子で、そのガツガツしてない感…

くるまりたい

クネクネさんのお友達が主役です。 『フワフワさんはけいとやさん』樋勝朋巳/文・絵、福音館書店『きょうはマラカスのひ』のシリーズ。 キュートさはそのままに、毛糸のようなあたたかくてやわらかい要素が加わりました。毛糸屋さんをいとなむフワフワさん…

猫の次に

ペンギンのなかでも圧倒的に好きなのが皇帝ペンギンです。 『コウテイペンギン』ヨハンナ・ジョンストン/さく、レナード・ワイスガード/え、こみやゆう/やく、好学社以前何かの自己紹介で「好きなペット」を書く欄があって、「猫、ペンギン」と書いたら、…

ミステリーだった

ラストで驚かされ、大好きになった1冊。 『烏に単は似合わない』阿部智里/著、文藝春秋平安王朝の雰囲気と、神話ファンタジーの世界を併せ持った、私好みな作品なのですが、ラストはまさにミステリーです。 松本清張賞受賞、納得の面白さでした。舞台は、八…

読書会@ネコオドル

9月16日、ネコオドルで読書会を開催しました。 7月に誕生した寄居読書会とのコラボです。小さな寄居町で、本屋開店の同時期に本に関わる企画を始める人がいるなんて奇跡のようで、「ぜひネコオドルでやりませんか!」とお願いしました。今回が第3回目の読書…

トリオは無敵

3人組には無敵な何かがあると思います。 トリオ最強説。根拠なし。 『すてきな三にんぐみ』トミー=アンゲラー/さく、いまえよしとも/やく、偕成社 読み聞かせの勉強をしていて、先輩が読んでいたのを聞いたのがこの絵本との出会い。 残念ながら、子ども…

自分をみつめる

『アルケミスト』パウロ・コエーリョ /著、KADOKAWA羊飼いの少年サンチャゴが、宝物を目指してエジプトのピラミッドへ旅に出るお話。途中で出会う錬金術師の導き、前兆を見逃さないこと、心の声を聞くこと…など、精神世界を感じるような内容になっています。…

ぐるりヨーロッパ

読むだけで旅に出られます。 『たびネコさん』ケイト・バンクス/作、ローレン・カスティーヨ/絵、住吉千夏子/訳、きじとら出版翻訳コンクールに毎年応募している友人から教えてもらった本。 翻訳していく過程を一緒に楽しみながら読みました。ヨーロッパ…

裏庭から

庭のある家に住んでいることが嬉しくなりました。 『裏庭』梨木香歩/著、新潮社子どもの頃、実は「不思議の世界に迷いこむ系」のお話が苦手でした。嫌いではなかったのですが、動物としゃべったり、不思議な生き物が登場したり、その不思議な生き物は予測不…

冒険の相棒

大好きな酒井駒子さんの絵本。 『はんなちゃんがめをさましたら』酒井駒子/ぶん・え、偕成社子どもにとって、いつもは寝ているはずの時間に目を覚ますことは、大冒険。 そんなドキドキが伝わってくる、静かな優しい絵本です。私が「あるある!」と思ったの…

忘れられない約束

大学生の頃は江國香織さんの本を読みあさってました。 『冷静と情熱のあいだ Rosso』江國香織/著、KADOKAWAはじめて江國香織さんの作品と出会ったのは高校の図書室で、『きらきらひかる』でした。その時は大人の恋愛小説にあまりピンとこなかったのでした。…

猫の不思議な世界

昨日はブログ休んでしまいました。 『せかいいちのねこ』ヒグチユウコ/絵と文、白泉社ヒグチユウコさんの描く猫はクセになります。 繊細だけど力強い描写で、ずっと見ていられる。 それでいてお話もいいのです。登場する猫たちには、モデルがいるようです。…

うちのこ。

母が「敬老の日だから」と、うちの長老猫に買ってきたクッションベッド。最初は全く見向きもせず…。でも、3日目にして、ようやく入ってくれました。 よかったね。ピッタリサイズ。 1日中寝ています。でも、 あれ。気づいたら、娘にとられてました。気に入っ…

増えていく本

いろんな方からのプレゼントもあって、私は5冊も持ってます。 『星の王子さま』サン=テグジュペリ/作、内藤濯/訳、岩波書店フランス生まれの名作。 「たいせつなことは目に見えない」 このセリフで有名です。子どもと大人とでは、読み方や感じ方が変わる…

あったらいいな

『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ/著、ポプラ社こんな本屋さんあったらいいな。 でも、こんな本があったらどうするよ?どんな本でも出てくる夢のような本屋さんの本。 ヨシタケシンスケさんの溢れる想像力がとまりません。 ヨシタケワールドが堪能できま…

裏と表

ヤマネコも猫です(ФωФ) 『ウラオモテヤマネコ』井上奈奈/絵と文、堀之内出版表紙の手触り、しかけ、箔押しの文字。 一目見た瞬間、手に取った瞬間、この本が丁寧に大切に作られたものだとわかります。 美しい絵本です。ヤマネコと少女の、裏と表をめぐる物…

久々登場、うちのこ。

猛暑がすぎて秋めいてきたので、猫が添い寝するようになりました。私のところに来るのはこのこ。 もろ。男前です。もろは、私が職場のある町から連れてきた猫で、はるばる1時間、一緒に車に揺られて来ました。そのせいか私に一番なついてくれています。たま…

アンガスは犬です

犬のアンガスシリーズのなかの1冊。 『アンガスとねこ』マージョリー・フラック/さく・え、瀬田貞二/やく、福音館書店犬のアンガスが主人公です。 猫はあくまでアンガスの興味のさきにあるものです。 でも、猫好きにかかれば、これは立派な猫本になるので…

辞書は編むもの

子どもの頃は辞書を片手に本を読んでいました。 『舟を編む』三浦しをん/著、光文社「辞書を作る」なんて想像もしたことがなかったのですが、この小説を読むと辞書作りが疑似体験できます。 そしてそれは大変奥が深く、非常におもしろい。 地道な作業をこれ…

女の子のあこがれ

言わずと知れた日本生まれの名作絵本。 『わたしのワンピース』にしまきかやこ/えとぶん、こぐま社空から降ってきた白い布をひろったうさぎ。 ミシンでワンピースをつくります。 ワンピースは、お花畑を通ると花模様に、雨が降れば水玉模様に…。この絵本を…

夜の世界、昼の世界

ワイズ・ブラウン&ワイスガードの猫本です。 『よるとひる』マーガレット・ワイズ・ブラウン/ぶん、レナード・ワイスガード/え、ほしかわなつよ/やく昼が好きな白い猫と、夜が好きな黒い猫。 お互いに、昼と夜の素敵なところを紹介しあいます。 暗い夜が…

空色の風

ひたすらまっすぐ。 『空色ヒッチハイカー』橋本紡/著、新潮社橋本紡さんの作品の中でもお気に入りの1冊。 図書館でもよくおすすめ本に選んでいるのですが、内容というか、設定が少し特殊なので、おすすめしにくい部分もあり、選んでいいのかなとよく悩み…

ロバ愛がとまらない

美しいものが詰まった本。 『プラテーロとわたし』J・R・ヒメネス/著、伊藤武好、伊藤百合子/訳、長新太/絵、理論社ロバのプラテーロとわたしの日々を綴った本。 詩人ヒメネスらしく、一編ずつが短くて詩のような読み心地です。 スペインの田舎の美しい…