ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

わたしたち

One。

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『わたしの全てのわたしたち』サラ・クロッサン/著、最果タヒ/訳、金原瑞人/訳、ハーパーコリンズ・ジャパン

グレースとティッピは16歳の、腰から下がつながった結合双生児。
はじめての学校生活、かけがえのない友達、家族、恋、別れ。
つまりは普通の生活なんだけど、普通じゃない生活。
詩のかたちで綴られた、唯一無二の青春小説です。

カーネギー賞ほか、たくさんの章を受賞した作品。
読んでよかったと、心から思います。

『One』という原題も『わたしの全てのわたしたち』という邦題も、切なくなるほどにすべてを表わしている言葉。

ふたりでひとりであり、ひとりがふたりなんだ。

詩のかたちで紡がれる物語は、読みやすくてするすると読めてしまうのだけれど、ひとつひとつの言葉に含まれた意味の重みが、ズシンと胸にきます。

この本の素晴らしさを、みんなに知ってほしい。
たくさんの人に読んでほしい物語です。

海の音

海で遊ぼう。

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『うみざざざ』ひがしなおこ/さく、きうちたつろう/え、くもん出版

東直子さんと木内達郎さんコンビによる絵本シリーズ。

海の音、波の音。

海の色、空の色。

すべてが夏。
キラキラまぶしくて、楽しい夏の1日です。

夏にぴったりの海の絵本。

浮き輪を持って海に行きたくなる1冊です。

めんどくさい

私もめんどくさい本屋です。

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『めんどくさい本屋』竹田信弥/著、本の種出版

100年後まで残る本屋を。
東京・赤坂の選書専門書店『双子のライオン堂』の店主の、これまでとこれから。

本屋はお守り、という言葉にグッときました。
私も本屋をはじめて、同じように感じています。

本業がありながら本屋なんてやれるだろうかという思いと、「休みがなくて大丈夫?」と心配するまわりの声。
本屋をすることが自分の重荷になってしまったらどうしようと、開店当初は小さな不安がありました。

でも、それは杞憂でした。

本屋は、お守り。

自分の居場所を自分でつくるとは、こういうことなんだなあと、実感するしあわせな毎日です。

嫌なことがあっても、私には本屋がある。
本屋の日にはすべてがリセットされて、自分らしさを取り戻せる。

本屋はお守り。

本屋を続けるために本屋意外の仕事もする竹田さん。
今の私にもぴったりと当てはまる生き方でした。

いろいろな生き方があっていいんだと気づかせてくれる1冊です。

猫のおまじない

猫が運ぶしあわせ。

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『しあわせのねこまじない』Forshow/著、小学館

恋愛、健康、金運、人間関係…
生活に役立つプチおまじないを、猫たちが教えてくれます。

おまじないと猫の写真のコラボで、とってもしあわせな1冊になっています。

小さな悩みならこの本が吹き飛ばしてくれそう。

簡単に実行できそうなおまじないばかりなので、特別な日の験担ぎはもちろんですが、毎日のルーティーンに取り入れて、しあわせ度の底上げを狙うのもいいかもしれません。

猫の写真に癒やされて、本を開くだけでもうすでにしあわせになってしまう猫好きさん多いこと間違いなしの、しあわせな1冊です。

菊ちゃん

一緒に暮らそう。

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『猫の菊ちゃん』湊文/著、KADOKAWA

保護猫カフェからやってきた、引っ込み思案な猫の菊ちゃん。
菊ちゃんと老夫婦がおくるしあわせな毎日を綴ったコミックエッセイです。

出会えたことがしあわせ。
一緒にいられることがしあわせ。

何をやっても「いいこだね、えらいね」と言ってもらえる猫のしあわせ。

猫との生活は、しあわせなことばかりです。

読んでいてほっこりとしあわせになれる、優しさいっぱいの猫本です。

魔女の庭

自然の声に耳をすませて。

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『魔女のシークレット・ガーデン』飯島都陽子/著、山と渓谷社

魔女の暮らしに欠かすことのできない植物52種を、季節ごとに、神話や言い伝えを交えて紹介しています。
美しいイラストがふんだんにちりばめられた贅沢な本。

魔女と言えば黒猫。
黒猫と話ができる魔女に憧れていました。

魔女の魔法は、彼女たちの知恵。
自然がもつ力を、魔女たちは自分たちのパワーとしていったのですね。

いくつになっても魔女への憧れは尽きません。

賢くて美しい魔女たちの秘密に触れることができる、特別な1冊です。

猫の浮世絵

江戸の猫。

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『にゃんとも猫だらけ』平木浮世絵財団

浮世絵の中に描かれた猫たちを集めた贅沢な画集。

女性と戯れる猫もいれば、擬人化された猫に、化け猫まで。
浮世絵にこんなにたくさんの猫が描かれていたとは驚きです。
猫が人々に愛されていたことが伝わってきます。

浮世絵のことはよくわからない、という私のような人でも、丁寧な解説付きなので、猫をさがして楽しく眺めながら浮世絵の世界を学ぶことができて、さらなる興味をひかれます。

そして、だんだんと可愛く見えてくる不思議。
浮世絵に描かれた猫って独特ですよね。
それが可愛く見えてくる。
にゃんとも不思議です。

奥深い浮世絵の世界。
一緒に一歩足を踏み入れてみませんか。