おまえはドミトリー
科学はニガテ…でも大丈夫!
不思議な学生寮「ともきんす」。
お二階には寮生さんが4人。
朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹……
有名な科学者さん達ばかりですね。
私がこの本と出会ったのは、図書館での「科学道100冊」フェアです。
科学本100冊で構成されるこのフェアは書店、図書館の垣根なく全国で展開されていたので、知っている人も多いのではないでしょうか。私ももれなくこのフェアに乗った一人。図書館で2ヶ月ほどコーナーを作り展示していました。科学本といっても、ビジュアルの美しい本や入門書が多く、興味をひくような本がセレクトされていて、とても楽しいフェアになりました。
フェア本のなかでもマンガは異色だったので、この本は印象に残りました。
そんな印象的な本を、最近、思いもかけないところで人からいただきました。
おお、おまえは科学道……!
感動の再会。
フェアを展開していたものの読んでいなかった私に、「読め」という天からの指令が下ったのでしょう。
この本のテーマは「科学者たちの言葉」。
科学は苦手という人でも、マンガでとても読みやすいと思います。
猫と過ごす時間
手に取ると泣いてしまう。
『てつぞうはね』ミロコマチコ/著、ブロンズ新社
ミロコマチコさんが、愛猫てつぞうとの日々を描いた絵本。
猫好きなら誰もが手に取り、誰もが泣いた、そんな絵本です。
猫にはそれぞれ個性があって、同じ子は1匹もいません。
我が家にも5匹の猫がいますが、5匹それぞれに性格もこだわりも違います。
でも、よそのうちの子のことでも「そうそう、そうだよね」って共感できるのが猫好きなのかもしれません。
猫と人間の関係は、それぞれ違うはずだけど、愛情に変わりはない。
いたずらだって才能だと、みんながほほえむ。
やさしい気持ちにあふれています。
この絵本を開くと、猫への愛を作者からも、それをやさしいまなざしで受け止める読者の存在からも感じることができて、猫への限りない愛の海に投げ出されたようで泣きたい気持ちになります。
そんな絵本です。
この絵本を大切に思う人には、坂本千明さんの『退屈をあげる』もきっと心に刺さると思います。
猫への愛を深めてくれる絵本です。
読書会@ネコオドル
3月3日、ネコオドルで読書会を開催しました。
寄居読書会の第9回目です。
自己紹介では、夏目漱石について思うことをそれぞれ一言ずつ話しました。
やはり「坊ちゃん」のイメージが強いのだなあという感じです。
『夢十夜』は、「こんな夢を見た」ではじまる夢のお話10編で構成された短編です。
「夢」というだけあって、とりとめのないお話ばかり。
不思議で怖い感覚は、まさに夢の中の世界のようです。
超短編ばかりなので、みんなで朗読しながらひとつひとつに感想を言い合いました。
子どもを背負った第三夜は、怪談そのもの。
話を覚えてしまって子どもに語っていたという人も。
お爺さんと蛇と笛の第四夜は、ハーメルンの笛吹きを連想させるという話に。
また、虜になった男の第五夜は太宰治の『走れメロス』を連想させる、という意見も。
やはり夢の世界、いろいろな要素が入り交じっているんでしょうか。
庄太郎と豚の第十夜は、アプリゲームのような世界だという感想が。豚の鼻先をピッと触ったらバタッと倒れる、その繰り返し。まさにゲームです。
イケメンなのに定職につかず女の人ばかり見ているダメンズぶりには、女性陣の反応が大きかったです。
とりとめのないけれど、奥が深い、まさに深層心理のような「夢」のお話。
語り合うにはもってこいの作品です。
それぞれの夢にまつわるお話をはじめたら止まらなくなりそうな、そんな読書会になりました。
さて、3月はもう一回、読書会があります。
3月末に、桜の下で、お花見読書会。
楽しみです。