ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

服を買わない

究極のシンプルライフ

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『服を10年買わないって決めてみました』どいかや/著、白泉社

絵本作家であり愛猫家であるどいかやさん。
自然に囲まれて暮らすその生き方に、私はずっと憧れを抱いています。
そのどいかやさんが10年間服を買わないで生活してきた実践のあれこれを綴ったエッセイ。

まず単純に「服を買わないで生活できるの!?」と思ってしまいます。
流行を追う必要はないけれど、服は傷んだり破れたりするし、人間だもの、同じものばかりでは飽きたりもします。
そんな疑問を、この本はかわいいイラストと写真付きで、丁寧に解決してくれました。
イデアと工夫次第で、10年間服を買わない生活が送れるのです。

どいかやさんがこのチャレンジを思い立ったのは、ある年の大みそか、服の整理をしているときだったそうです。
着られないほどたくさんある服の山に、疑問を抱きました。
それは大量生産、大量廃棄の地球に優しくない社会への挑戦状でもありました。
「来年から10年、服を買わないぞ!」

新年の目標を立てあぐねている人は、まずは1年でも、服を買わないチャレンジをしてみるのはいかがでしょうか。
究極のシンプルライフです。

猫に帽子

新年最初の紹介は可愛すぎる猫の本。

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『世界でいちばん愛らしい帽子ねこ』サラ・トーマス/著、 佐藤美穂/訳、エクスナレッジ

猫に帽子って、いる!?
うちのこは帽子どころか、服も、靴下も着ていません。
首輪をしているのも、5ぶんの2ひきだけ。
猫に帽子って…。

これが本を開く前の、私の感想。
ページをめくって、心を入れ替えました。

猫に帽子、めっちゃかわいい!

必要か必要じゃないかで言ったら、おそらく猫にはほぼ100%必要ないんですけど、このかわいらしさを見たら「猫には迷惑かもしれないけど、人間の心の栄養のためにひとつほしい!」となります。

モデル猫さんたちは、おとなしく撮影させてくれたのかなあとか、この本を作るまでの過程を想像するとそれも楽しそうで、とにかく夢が詰まった1冊です。写真もとても美しく猫たちがキュートで、写真集としても大満足できます。

帽子はニット素材で、編み方もきちんと載っているので、愛猫のために作ってみるのはいかがでしょうか。
うちのこはきっと、おとなしくかぶってはくれないだろうなあ。

新年

明けましておめでとうございます。

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猫とこたつで丸くなるお正月でした。

昨年は「ブログをはじめる」という課題をいただき。
ゆるやかながら続けてまいりました。
今年もゆるーく、綴っていきたいと思います。

このブログでは、リアルタイムに読了した本ではなくて、今までに読んだ本のなかから紹介していました。手持ちの本やお店に置いている本から選んでいたので、図書館から借りた本を読むことが圧倒的に多い私、「紹介する本がかなり偏っているなあ」と気になっていたので、これからは図書館で借りた本や、そのときに読了した本なども、バンバン紹介していきたいと思います。

更新は、月曜日から金曜日の週5回。
土日はお休みします。

ゆるーく、気楽に、ためになる情報はほとんどありません。
書評やあらすじは求めないでくださいね。
その本を読んだときの気持ちや出来事、感じたことを綴っていきます。

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

ネコオドル、5ヶ月を振り返る。

ネコオドル、5ヶ月。
年末なので、ちょっと振り返ったりしてみたいと思います。

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ロゴマークが出来たのは11月になってからでした。
じっくりと待ったかいあって、お気に入りの踊る猫です。

レンタルスペース施設内のチャレンジショップスペースにあるのが、いまのネコオドルです。
「出店してみませんか」というお話をいただいた時、実は「自分のめざす本屋」をするにはこの場所ではいろいろと障害がありすぎて、内心は「ここでやるだけの意味があるのだろうか」という自問をしていました。それというのも、この場所は駅前開発のために数年の内の取り壊しが決まっているため期間限定。内装やレイアウトにあまり投資ができないこともあり、「本を並べるだけ」の本屋さんしかできないことがわかっていたからです。
しかも、私が常駐できない。
店主がいない本屋にはできることが限られてしまいます。
本を並べているだけで売れるなんて、そんなことはありえません。
では、なぜここでネコオドルをはじめたのか。

それは、出店のお話をくださった方からの言葉があったからです。
その方は最初から堅実なアドバイスをくださる方で、決して楽観的なことは言いませんでした。
「おそらく売上は期待できないだろう」
最初にきっぱりと言われました。
うん、言われなくてもわかってる。
でも、言ってもらえると楽になります。
マーケティングの場所としてやってみてはどうか」
うん、それならやる意味あるかも。
この町で、本を求める人と出会うチャンスをいただいたと思って。
商売としては最初から失格かもしれませんが、この場所の「チャレンジ」という名前に乗っかって、少し気軽にはじめることになりました。
まあ、何より最初に「面白そう」と思ったのが決め手でしたけどね。

6月にお話をいただいて、紆余曲折ありながら7月にオープン。
週に1,2日だけいる店主としての日々がはじまりました。
ちなみにそれ以外の日はお勤めに出ています。
2足のわらじ生活。
私は以前にも、図書館員と舞台関係の2足のわらじを履いていたことがありまして、その時に色々と限界を感じて「2足はやめよう」と決意したことがあったのですが、図らずもまた2足履いてしまいました。
自分、大丈夫か。

今のところ大丈夫です。

本屋にいるときには、本屋の仕事をします。
当たり前のようですが、これがなかなか難しくて、本屋の仕事をしたいのにどうしてもお勤め先の仕事をしなくてはいけない日もありました。そんな日の私は機嫌が悪いです。2ヶ月くらい続いちゃったかな。
うん、大丈夫じゃない時もあったということですね。
でも、今は大丈夫です。

しばらく続けていると、この場所の持つ運命(取り壊しされる運命)が及ぼす影響に、気づいてきました。
先にも書いたとおり、私が「投資ができない」と思うように、この場所には最初からある種のあきらめ感があり、それが「適当」となって姿を表すのです。いまをやりすごせばいいという空気は、あまりいいものではありませんよね。見通しを持たなくてもいいというのは、人をだめにする気がします。

この場所にはまちづくりのために活動する色々な人が関わっています。
オーナーさんもそのひとりで、駅前が空き店舗なのはさみしいからと、取り壊しが決まっているこの場所に人が集まれる施設を作ったのです。元々コンサルの人なので、サービス業に関してはちょっとハラハラしたりヤキモキしたりすることもありますが、持ち前の対人力で乗り切っています。

オーナーさんが不在の時には、この場所をレンタルオフィスとしているデザイン会社の人がお店を守ってくださっています。この方は人柄が良いだけでなく販売業の経験があり知識も豊富で、とても助けられています。いつも迷惑ばかりかけている私に笑顔で応えてくれる、癒やしのマスコット的存在です。この人がいなければ、「休みばかりの不定休」になっていましたし、お客さまが来てくれなかったと思います。

ネコオドルを始めてから、お客さまとの出会いもたくさんあります。オープン当初からお店を気にかけてくださる方々には、精神的にとても支えられています。
たまたま通りがかった方、SNSで見て来られる方、人づてに聞いて来てくださった方、ご来店のきっかけは様々ですが、お話をしているとそれぞれの読書体験、読書傾向、本への想いなどに触れることができて、貴重な機会となっています。当初の目標にしていた「マーケティング」もしっかりと成果をあげています。それ以上に、たくさんの方々と本の話ができることが、純粋に楽しくて嬉しい。本屋さんって素敵だなあと実感しています。

5ヶ月たって、いろいろと見えてきたこと。
「なりたい本屋さん」の像は、はじめる前と今では、だいぶ変わってきました。
先のことも考えはじめました。

ネコオドルは進化したい。

6月から始めたこのブログも、時々さぼりながらもなんとか続けてきました。
来年は、もう少しテーマを広げて、でもゆるーく、綴っていきたいと思います。
年末年始はお休みして、お正月明けから。
来年もよろしくお願いいたします。

最後まで読めない本

今年最後の紹介になります。今年一番の本を。
今までは手持ちの本やネコオドルの本から紹介してましたが、今日は図書館の本です。

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『熱帯』森見登美彦/著、文藝春秋

待ちに待っていた森見登美彦さんの新刊は「最後まで読むことができない本」のお話です。
1冊の本を巡る不可思議な物語は、どこまでも深い深い世界へ繋がっていく。
今まで読んできた大好きな森見ワールドの、いろんな要素が詰まっている感じ。
読み終えたときは、エンデの『はてしない物語』を読んだのと同じくらいの満足感でした。

この作品のすごいところは、物語のキーになっている本、岩波文庫の『千一夜物語』全13巻を重版させるきっかけになったこと。『千一夜物語』は図書館にもちろんありますが、少しくたびれた感じになっていました。巻数が多いのでなかなか実現しなかったという重版、待ちわびていた人は少なからずいるはずですから、それを実現させた『熱帯』の力は絶大です。

いきなり森見氏本人が登場する物語『熱帯』。
『熱帯』のなかに登場するもうひとつの『熱帯』。
迷宮のように入り組んだ物語の世界をご堪能ください。

普段は図書館務めなので、図書館の本を読むことが圧倒的に多いです。
来年からは図書館の本も交えながら紹介していきたいと思います。

大きくなあれ

ぐりとぐらの黄金コンビ。

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『そらいろのたね』中川李枝子/さく、大村百合子/え、福音館書店

ゆうじは、飛行機のおもちゃと、きつねの持っていたそらいろのたねを交換しました。
たねを植えて水をあげると、そらいろの家がでてきました。
家はどんどん大きくなって、いろんな動物たちが集まってきます。
そこに、きつねがやってきて…。

ちょっといじわるなきつねが出てきます。
ひとりじめはいけませんね、というお話。

子どもの頃に、この絵本のアニメをCMで見たことがあります。
その印象がとても強くて、絵本は読んだことがなかったのに、よく知った気になっていました。
絵本をちゃんと読んだのは、本当に最近です。

ぐりぐら好きな子どもたちに、「これもいいよ」とすすめたい1冊です。

うちのこ。

久々にうちのこ。

ある日、仕事から帰ってきて部屋に入ると。

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「なに?いま毛づくろい中。いそがしいんだけど」

猫に占領されていたベッド。

うちの男の子2匹は、いつも私のベッドで寝ています。
男の子だから、大きい。重たい。

愛の重さを感じながら、眠っています。