久々登場、うちのこ。
猛暑がすぎて秋めいてきたので、猫が添い寝するようになりました。
私のところに来るのはこのこ。
もろ。男前です。
もろは、私が職場のある町から連れてきた猫で、はるばる1時間、一緒に車に揺られて来ました。そのせいか私に一番なついてくれています。
たまに夜中に悪さして、怒りに行くと喜ぶ、ちょっと変わったコです。
辞書は編むもの
子どもの頃は辞書を片手に本を読んでいました。
「辞書を作る」なんて想像もしたことがなかったのですが、この小説を読むと辞書作りが疑似体験できます。
そしてそれは大変奥が深く、非常におもしろい。
地道な作業をこれだけドラマティックに書き上げる三浦しをんさんも素晴らしい。
本屋大賞を受賞して映画化もされたので、読んだことがある人は多いのではないでしょうか。
この本がヒットしてから、辞書業界にスポットを当てた本がいろいろ出版されたので、まさに社会現象を巻き起こした小説と言っても過言ではないと思います。過言でしたらすみません。
個人的には、紙選びにかける情熱が好きです。
いろんな辞書のめくり比べをしたくなりました。
お仕事小説ですが、恋愛要素もあり、エンターテイメントです。
たくさんの人に読んでほしい物語です。
夜の世界、昼の世界
ワイズ・ブラウン&ワイスガードの猫本です。
『よるとひる』マーガレット・ワイズ・ブラウン/ぶん、レナード・ワイスガード/え、ほしかわなつよ/やく
昼が好きな白い猫と、夜が好きな黒い猫。
お互いに、昼と夜の素敵なところを紹介しあいます。
暗い夜が怖かった白い猫は、黒い猫の案内のおかげで、すっかり夜が大好きになります。
詩のように美しい言葉と、情緒あふれる昼と夜の世界。
どちら世界も素敵なもので満たされています。
この絵本、表紙はポスターカラーのようにくっきりした絵ですが、中身は白と黒がやさしいタッチで、黄色だけをアクセントに描かれています。
ワイスガードのくっきりとした鮮やかな色彩の絵本も好きですが、この絵本も素晴らしい。
ワイズ・ブラウンの詩的な表現と物語の楽しさを一度に楽しむことができる、贅沢な絵本です。
ロバ愛がとまらない
美しいものが詰まった本。
『プラテーロとわたし』J・R・ヒメネス/著、伊藤武好、伊藤百合子/訳、長新太/絵、理論社
ロバのプラテーロとわたしの日々を綴った本。
詩人ヒメネスらしく、一編ずつが短くて詩のような読み心地です。
スペインの田舎の美しい自然を感じながら、詩人ヒメネスのプラテーロへの優しいまなざしを感じる。
とにかくプラテーロ愛が溢れかえっているので、それだけでも幸せな気持ちにさせてくれます。
美しいものに満ちあふれた本ですから、毎日少しずつ大切に読みました。
心静めたい時や、哀しさに襲われた夜に、そっと読み返したくなる。
気に入った箇所だけを何度も読み返したくなる。
自然の描写がとにかく美しいので、都会の毎日に疲れた心に届けてあげたくなる。
そんな清涼剤のような1冊です。
長新太さんの挿絵がいい味出してます。